1970年に6台の国産車からスタートし、2020年に50周年を迎えたトミカ。手ごろな価格でありながら、実車のような塗装や彫刻、裏板など細部のこだわりが光る。コレクションの入り口としても最適だ。
子どもに人気のキャラクタートミカ、大人志向のトミカプレミアムなど種類は豊富。中でも製造年代の古いトミカほど希少価値は高くなりやすい。
子どもも大人も夢中にするトミカの花形。実車を再現するためエアロパーツやライト/ランプなどにこだわった車種も多い。働く車に比べて車種の移り変わりが早いのも特徴だ。最近の新車ではトミカ50周記念企画仕様車が要注目。
子ども人気No.1。ギミックも豊富で、遊びがいのある車種が多い。一方スポーツカーと比べてコレクション需要が少ないためレアになりやすい傾向もある。定番人気モデルは長年レギュラー。廃番になったあとリニューアルして復活することもある。
人気のキャラクターとコラボレーションしたトミカは数多い。現行品では国内キャラクターが「ドリームトミカ」、ディズニーキャラクターが「ディズニーモータース」で主に展開。きかんしゃトーマスモチーフの「トミカトーマスシリーズ」も人気だ。
往年の名車が集まる1970〜1980年代。ほぼすべてが日本製だが、年代により作風の変化を感じやすい時期。特に1970年代初期は職人の手作り感も残る。シャーシは金属製で、最初のトミカはホイールキャップに白塗装スタンプまで施されていた(1Aホイール)。
1970〜1980年代に比べると車種のバリエーションが増え、名車だけではない変化球が増えてくる。珍しい工事車両や実際には存在しない車も加わってきた。いわゆるVIPカーが登場するなど大人も驚かされるラインナップになっている。
通常のトミカよりも高級な大人志向のラインが「トミカプレミアム」「トミカリミテッドヴィンテージ」。トミカにラインナップされている車種がさらにディテールアップしていることもあり、両方手に入れるとコレクションの良い入り口になる。
店には常時140車種が並び、毎月新車が発売される。種類豊富なトミカの中、子どもに人気なのは「働く車」。中でもはしご付消防車は「一番売れたトミカ」と言われるほどだ。
一方、働く車は大人のコレクターも引き寄せる。6000台以上のトミカを所有するコレクターのあなんどいるさんは「バスならバスマニア、パトカーならパトカーマニアがいる。コレクターの目にもかなう出来になっているんですね」と話す。たとえば日本通運トラックは「かなり出来が良いんです。荷台の凹凸をものともせず、ロゴがきれいに印刷されていて、コレクターが見ても満足です」。
そんなあなんどいるさんがほれ込むのは1970〜1980年代のトミカ。中でも推しは1972年の初代トヨタ
センチュリーだ。「特に出来がすごいんです。小さなサイズ感のなかに高級車の風格を出せている。フロントはクリアパーツで精巧に作られているものの、今のような機械作りではない手づくり感がある。当時の最高傑作です」
写真:あなんどいるさん提供(以下同)
外国車ではランボルギーニ
カウンタックとポルシェ930ターボがイチオシだ。
「トミカは1980年代から作風が変わり、クリアパーツが塗装に変わったり裏板がプラスチックになってくる。そんな中でも一環して出来がいいんです。カウンタックは通常品もセットものもカラバリが多いので、当時に思いを馳せて集めようという人にはそういう魅力もありますね」
バリエーションを語る上で外せないのはソアラ
2800GTだ。
「1980年代を代表する日本の名車ですが、前期と違って、後期はサンルーフが開閉(可動)式になっているんですよ。『子どものおもちゃなれども』という本気を感じますよね」
1970〜1980年代、いわゆる盤石の人気車種を出してきたトミカが徐々に変化球を出すようになったのが2000年以降。この時代を語る上で外せないのがグロリアとクラウン
アスリートだ。
「いわゆるやんちゃ仕様のVIPカーで、『トミカ的に大丈夫かな』というくらい攻めた車種。ともにフロントは別パーツ、リアは丁寧な塗り分けと細かな印刷が施され、出来がめちゃくちゃ良いんです。今後、希少度がより高まってくるかも」
最近トミカは人気のスポーツカーやスーパーカーが増えている。そうした現行品を入り口とするコレクターも多いという。そんな入門に向いているのがトミカプレミアムやトミカリミテッドヴィンテージだ。シルエイティなどトミカの通常ラインナップに入ってこなかった大人好みの車種に加え、フェラーリ
テスタロッサのようにかつての名車も復活している。
「当時フェラーリを持っていなかった人が買いなおし、比べてみるのも面白いんじゃないでしょうか」
ところでコレクションといえばプレミア価格。どんなトミカがお宝になりやすいのか聞いてみると、「当時そんなに爆発的に人気だったわけではないモデルです」。
要するに流通量が少ないものほど後々レアになるということ。水族館トラックやライオンバスのように子どもが遊び倒して状態が悪くなりやすいものもレアになりやすい。
そんなあなんどいるさんが探しているお宝トミカはどんなものなのか。実は最近、長年探してきた香港トミカをYahoo!オークションで入手して満足しているという。流通量が極めて少なく、レアな香港トミカの中でも突出した人気を博すという「ギャランGTO」だ。
監修:あなんどいる
3歳からトミカの収集をはじめ、コレクター歴は23年。所蔵品はトミカだけで6000台以上。ミニカーコレクション全体では1万台を超える。
Yahoo!オークションについて