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花田淳の"銀座の画商が教えます" 第1回

花田淳の銀座の画商が教えます
ヤフオク官公庁オークションの、美術品鑑定などで活躍中のクレドオークションを主宰する花田淳氏。
その花田氏が全面監修する「花田淳の銀座の画商が教えます」がいよいよスタート!

美術館にデートに行く前日に、ちょっとこのコーナーを読んでおけばさりげなく彼や彼女に解説して上げたりできるかも? ほかにも美術に関する質問にも答えてくれるコーナーです! 第1回目は......。

 第2回、 第3回、 第4回、 第5回、 第6回、 第7回、 第8回、 第9回、 第10回、 第11回

ジョルジュ・ルオー『聖書の風景』

記念すべき第1弾は、僕が好きなジョルジュ・ルオーについて書こうと思います。

ジョルジュ・ルオーといえば、MoMa(ニューヨーク近代美術館)、メトロポリタン美術館、パリ市立近代美術館、ポンピドゥー・センター、出光美術館など洋の東西を問わず、世界中の美術館に多く収蔵されている作家の一人です。

ルオーは、1871年パリにて誕生し1958年にパリにて死去する、19世紀から20世紀初頭にフランスを代表する作家として世界中に愛好家が多い作家の一人です。

みなさんもご存じのとおり、ジョルジュ・ルオーといえば「宗教」を題材にすることが多い作家です。
もちろん、ルオーは敬虔(けいけん)なキリスト教信者でした。

意外なことに、ルオーは日本にも大変興味を持ち、浮世絵や武者絵を模した作品も存在しているんですよ。

こんなウンチクは、サラッと彼女に話したりすれば、ちょっと尊敬されちゃうかも(笑)?

また、日本ではキリスト教的なことはさておき、ともかくルオーが好きであるという人が多いんです。
たぶん、フランス語圏以外の人でもシャンソンが好きであったり、イタリア語圏以外の人でもオペラが好きであったり......。

文化とは感受性であり、音楽も絵画もその部分では同じなんだろうなと思います。


そこで、本日の1枚!!


ルオー『聖書の風景』

ジョルジュ・ルオー『聖書の風景』
※画像をクリックすると、額装付きの大きな画像が表示されます。



この作品は、前景には子どもに優しく手を差し伸べるキリストと母親、中景にも二人。
平和な村の夕暮れに、一日の仕事を終えた村人たちが連れ立って散策しています。

描かれたこの主題そのものは、今までの多くの作品の繰り返しといえます。

しかし、そこには重要な進展があります。
特に色彩が年を追って変化しているのです。

この『聖書の風景』は、いわばルオー芸術の絢爛(けんらん)たる終楽章ともいうべきものを感じます。

例のごとく絵具の塗り重ねが著しいですが、晩年によく使ったコバルト青、エメラルド緑、明るい黄色、朱のうち、ここではとくに黄が主色の位置を占めています。

それは太陽の色であり、その色を太陽は惜しみなく周囲にまき散らし、大地はこれを受けて照り映えています。

まさに、ヨハネによる福音書の冒頭に記されている『全ての人を照らすまことの光は、今や闇を駆遂してしまった』を描写した作品です。

ルオーが最後に到達した至福の風景でもあるんです。






花田淳(はなだ じゅん)氏 セルフプロフィール

1965年生まれ。横浜出身。
父を始め、親戚縁者の多くが美術商を営んでいたため幼い頃から自然と美術品に親しむ環境にありました。大学を卒業後、神戸の百貨店美術部に勤務した後、銀座7丁目にある父親の経営する花田美術に入社しました。美術品の販売・買取りは勿論ですが、全国地方自治体の鑑定査定相談や弁護士さん、税理士さんから美術品相続相談なども積極的に受けています。



花田氏にもご協力いただいている官公庁オークション
●協力、写真:花田美術(外部リンク)、クレドオークション(外部リンク)
●文:花田淳、Yahoo!オークション

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