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徳武弘文さんインタビュー Vol.4

ご好評いただいている徳武弘文さんインタビューも今回が最終回。なんと、徳武家は音楽家族だったのです!



愛用のモズライト・ベンチャーズ・モデルを弾く徳武弘文さん使ってくださいって

■このお部屋に積まれているケースには、全部ギターが入っているんですか?

全部入っています。増えるんですよ、なんだか知らないけど。

■使いたくて増えるんですか? それとも……。

あのね。「使ってください」って増えるんですよ(笑)。まあアマチュアの方で「ぜひ使ってほしい」という人もいるし、楽器関係の方で「使ってください」っていうのもあるし。


使いきれない、と思うものは返しちゃうんです。なるべく全部使ってみようとは思うんですが……。使いきれないですよね(笑)。ここにあるだけじゃないですから、あっちの部屋にもずらっとありますからね。一時80本くらいになったんですが、今は40本くらいかな。

■ひょっとすると、もう何年もケースから出してもらっていないギターもあるのでは?

あ るかもしれないですね。きりがないですよね。もうね、自分でギター持つのはやめようかなって思うくらい。自分でギターを買うってことが難しくなってきて、 使いきれるかなって(笑)。自分のシグネイチャー・モデルでも印税とかもらっていないんで、きつい縛り、みたいなものはないんですけどね。海外のミュージ シャンは印税が入るらしいけど、でもそんなことするとほかのギターが使えなくなっちゃうから。ぼくはモズライトはモズライトの音だし、テレキャスターはテ レキャスターの音だし、楽器を替えてそのサウンドが変わってくるのがおもしろい、と思っていますからね。


■今までお話をうかがったギタリストの方たちのなかで、徳武さんは「モズライトとテレキャスター」というイメージが強くマッチしているように感じます。みなさん改造をして、どこかしらいじってたりしているんですが。

あー、 そういう意味でいうと、ぼくはね、楽器っていうのはできた瞬間に命があると思うから、その命をどういうふうに引き出してあげようか、と考えるんですよね。 だから、例えばここをこう削って、とかやっちゃうとその楽器本来の持つ命が失われてしまうような気がするんです。だからあまりそういうふうにいじったりは しないですね。いい音にすることも、もちろん大事なんですけど。その楽器が持つ特性があるからね。たとえそれがチープな音でも、チープな価値があると思う んですよね。「ここにはチープな音がいいんじゃない?」ってこともあるから。それはそれですごい大事なことだと思うんですよ。楽器って今すごく値段が高く なっているけど、安くっても自分にとってすごい満足できるものであればいいと思うんですよね。個性を取るというかね。

■このメーカーじゃなきゃだめ、とか国産よりUSだ、とかにこだわるんじゃなくということですよね。

うん、そういうことはまったくないと思いますね。自分に合った楽器はどれなのってことを自分なりに考えて、そういう感覚を持てればいいんじゃないかと思います。

■ベンチャーズにやられてから何十年も好きでいられるというのはまた、すごいですよね。浮気しないというか。

ぼ くはベンチャーズが入り口ですけど、「そのサウンドの前身はなんだったの? あ、カントリーなんだ、ブルースなんだ」って感じでルーツに戻るということを 探求し始めたんですね。そうやっているうちに自分のスタイルができてきたのかな、って思えるし。そこからまた原点に戻ってこられたというのが楽しいってい うか、ね。

ひところはベンチャーズって言葉を口にするのも恥ずかしいというか(笑)、そういう時代があったじゃないですか。スタジオでも そんなこと言えなかった時期があったからね。ぼくは初めから好きだって言っていたから、いいんだけど。実はぼくもベンチャーズだったんだ、っていう人も増 えてきたり。今は別に恥ずかしいなんてこともなくなりましたしね。


■先生として、教える立場でのアドバイスはありますか?

やっ ぱり楽しくないと音楽にならないので、苦痛になるようでは上達しないし、ただ根気はすごく必要なんですね。ぼくのやっているカントリーは「難しい」ってよ く言われるんですが。難しい分鍛錬というか、あきらめないで続けているときっとそこへ行けると思うんです。その時間をとることと、今自分が進歩していない からってあきらめるんじゃなく、3、4日続けてごらんなさいって言って、続けるとけっこうそのポイントまで行けるんですよ。それに気付かない人が多いか ら。

■カントリーはまったくの初心者が「やりたい」と言って習いに来られる方もいらっしゃるんですか?

カントリーの場合はね、ある程度うまい中級者以上の方が多いですね。下手するとぼくよりうまいんじゃないかって方が来られたりしますね。もう教えることないよ(笑)、というくらいの方がたまにね。


■カントリーの方のギタープレイって、ものすごい速さですよね。

ス ピードがね。でもそのプレイまで到達したいと思ったら、とにかく練習することですね。そうすれば行けますよ、その域まで。いやぁ、でもね。この世界は上を 見たらきりがないんですよ。「あぁ、もうお手上げ……」っていうプレイヤーは何人もいますよ。アメリカに行ってはそういうプレイを見て「恐れ入りまし たー。年はおいくつ?」「20うん歳です」「うわぁー!」って(笑)。ナッシュビルに行くとそんな子ばっかりですよ。生活と音楽が密接な国ですからね。日 本だと沖縄くらいにしかそういうものを感じないですからね。その点での差が、でかいように感じますね。歌ってもうまいし。普通の人なのに冗談を言うと見事 にエンターテイナーになるし。やっぱり違うな、って思いますね。DNAに入り込んでいるんだと思いますよ。


ご家族のお話をされる徳武さん音楽家族

■今後の活動などについてお聞かせいただけますか?

今 は自分のバンド「Dr.Kプロジェクト」のライブを、去年よりもっと増やそうと思っています。あとはファミリー・バンドです。ぼくには娘と息子がいまし て、娘(令央奈さん)はフィドルをやっているんです。まだバイトをしながらやっていて、セミプロにちょっと毛が生えた程度なんですが。息子(孝音さん) は、ブレッド&バターのおにいさんのほうの幸矢(さつや)さんの娘Aisaさんのデビューアルバムのレコーディングに参加したんです。ほかのギターは、 松っつぁん(松原正樹さん)とか土方(隆行)くんとかですよ(笑)。そこで6曲くらい弾いているんだけど。いちおうプロデビューしたんですよ。とは言って もねー、うちからぼくのギターかっぱらっていってやってるような感じなんですけど(笑)。まあこれだけギターがあればしょうがないかと(笑)。


そ んな感じで、「音楽家族」というわけではないんですが、3人で演奏する機会もちょこちょこできてきたんです。4月にラトルスネーク・アニー (Rattlesnake Annie)というカントリー・フォーク・シンガーが来日するんですね。毎年来ている方なんですが。去年もいっしょにやったんですが、今年もやります。そ ういうふうにファミリー・バンドで演奏する機会が増えてきたので、さきほどのテレキャスターが活躍しそうなんです。ちょっとカントリー、ブルーグラス寄り のサウンドになると思っています。

■家族そろって同じ音楽という言語で語り合えるって、いいですよね。

これはね。ほんとね。幸せだなぁーって思いますよ、自分でも(笑)。

■息子さんへはギターの手ほどきをされたんですか?

たいしたことは教えていないけど、横で見ていたくらいでね。理論的なことはちょっと教えたかなぁ。娘はぼくより譜面に強いんですよ。だから初見でパッと見て弾けちゃうんですよ。クラシックをやっていたおかげなんですけどね。最近は娘にバカにされます(笑)。

■それはこれからが楽しみですね。

う ん。うちは音楽家族になっていくんだろうなぁ、しょうがないなぁって最近は思っているんですが。だけど娘がどこそこで演奏だ、といっては器材を積む手伝い をし。息子が、といっては手伝いをしていると、自分のことする時間がなくなってしまっていることに気付くんです。なんかぼくは自分のことしたかな? なん にもしていないな、ってね。

(一同爆笑)

■「音楽をやりなさい」と言ったわけではないんですよね?

言っ ていないです。本人たちが「やりたい」って言ってきたので。「だめだよおまえ、ミュージシャンなんて」なんて言えないじゃないですか(笑)。まあ好きにや れば、という感じですね。人前で演奏するとみんなに言われるんですよ。「いいよなぁ、うちなんか断絶だぜ」みたいな話をされたりね。

■カントリー・ミュージックの本質的なところに、「家族的」という要因があるかもしれませんしね。

うん。そうですね。まあジャンルにはこだわっていないんです。彼らが一番やりたいのはポップスだと思うんですけどね。カントリーという土壌がうちにはあるんですけど、よりポップな方向へ行こうかな、という傾向はありますね。


■ところで、Yahoo!オークションはご利用になったことはありますか?

あ りますよ。エフェクター、ギターが中心ですが。エフェクターは3つほど、Yahoo!オークションで落札したものがありますよ(笑)。出品はしていないん ですけど、落札はしていますね。競り合って楽しいじゃないですか。あ、マック(マッキントッシュ)もあるな。ギリギリのタイミングで、チョーンっとね (笑)。

■もし「そろそろこれ、いらないかな?」というものがあったら出品もご検討いただけると……。

はいはい(笑)。

■長い時間、本当にありがとうございました。


---息子さんとお嬢さんのお話になった途端に相好を崩され、苦笑気味の笑顔が多くなった徳武さん。やはりそこは父親、なんですね。お父さんの顔をのぞかせたDr.Kもすてきでしたね。いいなぁ、ファミリーバンド……。いつかライブを見に行こう、と思いながら大団円です。
ラトルスネーク・アニーの来日公演。詳しくはこちら
徳武弘文(Dr.K)さんオフィシャルホームページはこちら

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