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徳武弘文さんインタビュー Vol.2

カントリーとベンチャーズをこよなく愛す「Dr.K」こと、徳武弘文さん。そのインタビューの第2弾!



ひどい目にあったけど、それなりにおもしろかった旅

■大学に籍を置きながら活動していたということですね。

ええ。でもそのおかげで1年落第して(笑)。なんとか卒業はしましたが……。音楽やっている連中はすごく少なかったですから、逆にやっている連中はすごく根性があったのかもわからない。みんなわりと有名になりましたからね。


徳武弘文さん■今見るとそうそうたる顔ぶれですよね。そうするとプロとしてギャラをもらったはじめての仕事にあたるのは……。

ブ レッド&バターかもしれないですね。しかもね、そのギャラは2年後にもらったんです(爆笑)。音楽事務所の金払いが悪いのは、当時あたりまえだったんです よね。吉川忠英さんが中心になって「吉川忠英&ホームメイド」というバンドを作ったんです、同じ事務所の仕事で。で、前のときのギャラもらっていないんで すがって言って、やっと払ってくれたんですよ。「遅れるのが常識」みたいなところがありましたね。大変でしたけど(笑)。


■学生さんでアマチュア感覚だったものが、ギャラをもらってプロとしての意識を強くされたってことはありましたか?

い や、ぼくはアマチュア感覚だったと思いますね。いろんな人(ミュージシャン)に聞くと「ぼくはローディーやってた」とか下積みの経験があるんですが、ぼく はそういうところを通っていないんですね。ラッキーだったのかもしれないんですが。最初のブレッド&バターは単発のコンサートだったんですが、「山本コー タローと少年探偵団」で旅の仕事をやったんですね。そのときははちみつぱいのメンバーだった和田博巳と、今ムーンライダースの岡田徹、かしぶち哲郎と、今 は辞めて地方にいらっしゃるボーカルの若林さんという方と山本コータローとぼく、というメンツでした。

ツ アーといっても当時はまだ山陽新幹線ができていなかった、と記憶しているんですが。たしか。今とはまったく違う旅で、ドラムセットを持っていくとか。マ ネージャーが遅刻して、チケットがなくてその電車に乗れないとか(爆笑)。けっこうすごい話がありますよ。アンプを持っていけないときには地方のアマチュ アバンドから借りて演奏するんですが、その貸してくれたバンドの人が「ありがとうございました。いい音していました」って言ってくれたり。たいした音じゃ なかったんだけど(笑)。おもしろいこともいろいろありましたね。

■その当時徳武さんが使用されていたギターは何ですか?

フェ ンダーのエスクワイアというシングルピックアップのギターです。でもスタジオに入ると、シングルピックアップじゃ仕事にならなくて、上にピックアップを1 個足してテレキャスターと同じ仕様にしたんですが、最初はエスクワイアでずーっと通していましたね。でもそれが自分の個性になったかなって思うんです。安 いんですよ、これがまた(笑)。テレキャスターはピックアップ2個だけど、1個だから安いんですよ。中古でも当時はビンテージとかそういうのはないから、 「セコハン」っていって安かったんですよ。


■今でもそのエスクワイアはお持ちなんですか?

持ってますよ。

■今ならビンテージといえるんじゃないですか?

そうですね、1967年のモデルですから。でもそれよりもっと古いのを持っていたりしますけどね。

■徳武さんがもっとも尊敬する、好きなギタリストってどなたですか?

いっ ぱいいますけどね。チェット・アトキンス、レス・ポール、デュアン・エディ、ジェリー・マギー、ノーキー(・エドワーズ)も好きだし。ジェリー・リードと か、言ったらきりがないけどね。今は昔と違って本人に会えたり、メールをしたりね。実際にメールをやり取りしたりしているんですが、そういった意味では デュアン・エディ、ジェリー・マギーは本当にいい人たちですね。こっちがびっくりするくらいにね。


画面左につまれたギターケース(もちろんギター入り)と徳武さんぼくのいいところを引き出してくれる

■セッションをされたり……。

ええ、ぼくのアルバムでやってもらっています。

■ご自分があこがれていた人といっしょにお仕事ができるって、どんな感じですか?

も うね、最初はどっきどきでしたよ(笑)。おれ大丈夫かなって。でもいろいろ話して、英語が堪能なわけではないんですが(笑)。コミュニケーションがとれて くると、やっぱり基本的には普通の人間なので「おんなじだなぁ」って感じなんですね。そこから気持ちも落ち着いてきて、ちゃんといっしょに演奏できたりし ますけどね。最初のときは、もうほんとにどっきどきでしたよ。


■ほかに競演されて「すごいなー」とか、「なんだこいつは」とかいう人はいらっしゃいましたか?

「な んだこいつは」は言うとまずいからなぁ(爆笑)。吉田拓郎はすごいですね。今でもいっしょにやることあるんですけど、大きさがドカーンとでかい人なんで。 そのへんがいつも「はぁー」と思って見ているんですけどね。それは音楽的なことだけじゃなくてね。人間としてとか、生活を見ていてね。スケールが大きい なって感じますね。

音楽的な面でいうと、高橋ユキヒロとか細野(晴臣)さんとかは特殊な感覚を持っている感じがするんですよ。ぼくのいい 部分を引き出してくれる。「こういうふうに弾いて」っていうポイントがふだんの音楽仲間とは違う観点で引き出してくれるんですよね。その辺がおもしろい な、と思うんですよ。ぼくの自由にさせてくれるんだけど、素材としてうまく生かしてくれるっていうのかな。仕上がりが全然わからない段階で、そういうふう にやらされて、後で聴くと「あー、こうなるわけね」となる。あのYMO関係の人たちの感覚は、やっぱり変わっていますね。


■「ここは徳武さんのギターがほしい」ということで、呼ばれていくわけですよね。でも今のお話のような、ちょっと変わった起用のされ方もあるわけで。その辺はどういうふうに感じられますか?

お もしろいですよね。ぼくの場合は、いわゆるスタジオミュージシャン、とは違うんですよ。スタジオミュージシャンというのはいろんな要求に応えられなければ いけないんですけど、ぼくはそういう大きい意味での間口は持っていないんですよ。いろんなことはもちろんできるとは思うんですけど。でも松原(正樹)さん とか今(剛)くんみたいにはできないと思うんですよ。パッと来て「はい、はい、はい」って感じじゃなくて。ぼくを呼ぶからには向こうがぼくを知っている、 という第一条件があって、それがあるので助かるんですけどね。そういう意味では自分なりのやり方しかできないんで、そういう、引き出してくれる人もぼくに とっては大切な方々だと思います。


----「ここは徳武さんでしょ」。絶対的な実力と信頼があってこそ、その声に応えられるわけですよね。さすが「Dr.K」徳武さん。次回はいよいよ愛用ギターのお話です。どうぞお楽しみに。

ザ・サレージ【ライブ情報】
フィンランドから“ザ・サレージ”初来日! 徳武弘文さん出演。
2月16日(水)銀座TACT
2月18日(金)八王子シネクラブ
2月19日(土)原宿ブルージェイウェイ
出演:ザ・サレージ 徳武弘文/Dr.Kプロジェクト(ザ・サレージ以外の出演者は会場により異なります)

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