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押尾コータローさんインタビュー Vol.2

押尾コータローさん人気アコースティックギタリスト・押尾コータローさんのインタビュー、その第2弾です!



押尾コータローさんギターインストは「アングラ」な音楽だった

■ひとりでリズムパートから、メロディーパートまで演奏されるという、たとえばマイケル・ヘッジスやタック・アンドレスといった人たちのギタースタイルを、押尾さんが選んでいったのはいつごろのことですか?

20代の後半ですね。最初に知ったのは高校3年生のころなんです。その奏法は知っていたんですが使いこなせなくて、ロックバンドに走った時期があったんです。

その後またアコギの世界に戻ったんですが、そのときに高校のころコピーしようとしたマイケル・ヘッジスやタック&パティみたいな奏法をしたいなって思ったんです。それが20代の後半だったかな。



■日本でそういう奏法をしていたギタリストはいたんでしょうか?

地道に活動されている方はたくさんいました。でも、ぼくも含めてインストゥルメンタルっていうのは評価されにくいですよね。うん。なんとなくイメージだけでね。
クラシックギターもそうなんですけど、特殊な固いイメージを持たれていて、マニアの人しか来ない世界みたいなところがあると思うんですよ。もちろんマイケル・ヘッジスもそうですよね。タック&パティは(音楽そのものは)ポップなので、そういうポップなところにいて、マイケル・ヘッジスはアンダーグラウンドにいてマニアしかいかないみたいな。なんかその違いですよね。何が違うかと言われたら、まあ宣伝とかも違うんでしょうけどね。
そういうギタリストはたくさんいましたよ。悪い言い方かもしれませんが、アングラですよね。すごい人はたくさんいたけど、アングラなところはありましたよね。




押尾コータローさんエンターテインメントを持ち込んで

■押尾さんはそのアングラな場所から出てくることができて、いまや知らない人がいないくらいになった。そのポイントというのはなんだったのでしょう?

僕もまだまだですけど、言えるとしたらエンターテインメントに徹したところでしょうか。マイケル・ヘッジスもエンタテイナーだったと思います。日本では知られていなかったですけど、海外では評価されていたんですよ。
海外のギタリストのなかには、向こうでは売れているけど日本ではそうじゃないという人がたくさんいるんですよ。ぼくの場合は、ヘッジスの「エンターテインメント」の部分と、タック&パティの「カバーを演奏するおもしろさ」みたいなところにものすごく影響を受けているので、そういうところが評価されているのかなって思います。

だから「最初はオリジナル楽曲をやらなくてもいいな」って思ったんですよ。知ってる曲をギターで弾こうと思ったんです。アレンジをしっかりやればって。ぼくはラッキーなことに「奏法がすごい!」ということでラジオなどに取り上げてもらえるようになったんですね。
ぼくのまわりにはぼくよりすごい先輩方がいるというのに、ぼくだけピックアップされて「すごい! ひとりで弾いているとは思えない!」とか言われて(笑)。「じゃオレが代表でがんばろう」って言って(笑)。で、オリジナルも評価されるようになり、もっとがんばらなきゃなっていう感じなんですよね。




押尾コータローさんマイケル・ヘッジス、知ってますか?

■曲作りはそれ以前からやっていたんですよね?

そうですね。歌詞付きですけどね。ぼくが曲を作ってボーカルの人が歌ってくれてという活動をしていましたからね。はなからインストで作ったことはなかったんですよ。オリジナルにそれほど興味があったわけでもなく「自分で曲作るなんて......」。コピーをしていた方が楽しかったですね(笑)。でもやっぱりヘッジスみたいな曲を演奏したら評価されてしまって、「オリジナルがない! どうしよう」

(一同笑)

「これは押尾さんオリジナルですか?」
「いやいや、影響を受けてる人がいるんですけど、知らないでしょ? マイケル・ヘッジス」っていう展開になって(笑)。でもまあ、それはそれでいいかな、これから知ってもらえばいいかなって思ったんです。で、ぼくをはじめて聴いた人に「世の中にはもっとたくさんすごいギタリストがいるんだよ。みんなで聴こう」っていうポジションにいたらいいのかな、って思うようになりましたね。

■ライブでやっている「ひとりメンバー紹介」のようなエンターテインメント性って、関心を持ってもらうためにはすごく重要ですね。

ええ。

■そのなかでアリスの曲をちょこっと歌っていますよね。シンガーソングライターになるという選択肢はなかったんですか?

ずっと歌って弾くのが普通だと思っていたので、シンガーソングライターにはすごくあこがれましたよ。長渕剛さんとかね。ただ、それ以上にインストの世界にどっぷりハマってしまったんですね。でもマイケル・ヘッジスもライブで3割くらいは歌っていたので。ぼくは自分が歌うということにあんまり興味がなかっただけでね。
でも「そんなこと言わないで歌ってよ、押尾。......押尾くん」っていう(笑)、なんとなく空気になって「じゃあちょっとだけ歌う?」。でも、かたくなに「歌わない」ってのもどうかなと。でも歌いすぎるのもどうかなってのもあって、そのへんですよね。

(一同笑)




押尾コータローさんメロディーが立つためには

■なるほど。歌つながりでお聞きしたいのですが、メロディーを弾くっていうのはボーカリストのパートをやるってことですよね。

ええ。

■そういう意味でボーカリストを研究するという作業はありますか?

うん、ありますね。最近ソウルフルに歌うボーカルから、その節回しをね(と言いながら抱えていたマーティンで実際に音を出して説明する押尾さん)。こんな感じのゴスペルな歌い方をするボーカリスト増えてるでしょ。日本ではMISIAもそうだしね。
特にギターがメロディーを奏でるときにはそういう節回しをいれないと単調になってしまうんですね。(実際に演奏しながら)単純にド、レ、ミって弾くのと、音と音との間のピッチの揺れとかもあるからそれを表現しないと。ピアノでもギターでも、その音をジャストに弾くと、「それで?」って感じでしょ?

(一同笑)

そういうフレーズはボーカルから研究しますね。

■リズムのグルーブとメロディーのグルーブって違いますよね。別々に練習してくっつけるみたいなことをしますか?

ああ、それも大事ですね、きっと。頻繁(ひんぱん)にやることはないですけど、ここのメロディーはどうやって歌っているのかってときには、分けてやることがありますね。
ソロでやっている音楽なのでトータルをまず考えますよね。で、詰まったときには分解してやる、という感じです。バックとメロディーのグルーブの違いを意識して演奏しないと、「ダイレクトにメロディーが聴こえない」って言われてしまうんです、うちのディレクター厳しいんで。悔しいじゃないですか「メロディーが立ってこない」とか言われると。言い返したいですけどね、「だってひとりでやってるんだし、難しいんだもん」って。

(一同笑)

でもそれは言えないでしょ。じゃあメロディーが立つようにするにはどうしたらいいんだろうってことは考えますからね。




押尾コータローさん初体験はバスチューバ

■そうですよね。話は変わりますが押尾さんが最初に音楽やりたい、って思われたのはいつごろのことですか?

音楽したい、と思ったのは中学1年生のときのブラスバンドですね。
ぼくが担当したのは、最終的にはバスチューバ(リンク先は「チューバ」)っていう低音部でした。「ボンボンボンボン」っていう地味?なやつですよ(笑)。本当はトランペットやりたかったんですけどね、その当時にしてはぼくは体が大きかったようで、やらせてもらえなかったんですよ。最初生徒手帳のページをちぎって、壁にあてて。
先生「ふーって(息を吹きかけるしぐさをしながら)、これを10秒落とさないでいられたら吹かせてやる」
押尾少年「余裕ですよ、10秒なんか。数えてください」
先生「じゃあいくよ、い???????ち」
押尾少年「先生、先生、ものすごい遅くないですか? その1秒」

(一同爆笑)

半年くらいそれが続いて、まあ辞めていく人もいるわけですよ。毎日毎日壁に向かって息吹きかけて「もういやー」とか「やめるわ、やめるわ」って(笑)。ぼくは「トランペット、トランペット、トランペット」ってけっこうがんばったんですけど(笑)。
「おまえもう決まってるから、楽器」「え? トランペットじゃないんですか?」「いや、トランペットより大きいトランペットあるから」って(しぐさをしながら)こんなでっかいやつ。

(一同爆笑)

■それが最初の楽器体験ですか?

そうそう、最初です(笑)。




押尾コータローさん「ぼぼぼ、ぼん、ぼん、ぼん、......」おんなじやなこれ

■それからギターへいったんですね。

そうですね。それはもうわかりやすかったですよ。バスチューバってひとりでやってもその当時はおもしろくなかったんですよ。
先輩といっしょにね「よし、いくぞ。はい、イチ、ニッ、サン」
「ぼぼぼ、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、今どこやってんのかな?」。ぼくに四小節で区切りがあってという感覚が、まだないわけですよ。何回という覚え方していたんですね。「9回これを演奏したら次」って感じで。
譜面が読めないので、「ぼんぼんぼん」の数を数えながらやっていたんですね。
そしたら先輩が、「おまえ1個多いぞ」
「おかしいなぁ、ぼく数えてましたよ」
「数えるなそんなもん」って。

(一同笑)

だいたいひとりでやっていてもどんな曲か見当つかないんですよ。
「はい、じゃあ次、エルキャピタン」。「ぼぼぼぼんぼんぼん......。おんなじやなこれ」みたいな(笑)。マーチってみんな同じなんですよ。
「はい、3曲目」「どうせおんなじでしょ、これも」「ぼぼぼ......」

(一同爆笑)

それが、先生が来て指揮をとって全員が音を出すと「パッパカパー......」
「ああ! この曲かー。知ってる知ってる」ってね(笑)。




---エンターテインメント性をギターインストの世界に持ち込んで成功した押尾さん。インタビュー中、一人二役を演じてくれて一同何度も爆笑。「これもエンターテインメントだ」と感心しました。次回もどうぞお楽しみに!



押尾コータローさんDVD「CHAIN OF FRIENDS ?PANORAMA TOUR 2005?」情報

「驚愕(きょうがく)のギタリスト」押尾コータローと、彼を中心として形成される"Chain(絆)"をフル・パッケージ!"アコースティック・ギター・ファンタジスタ"押尾コータローのDVD第3弾は「Panorama Tour」の迫力あるライブの模様に加えて、今まで誰も見ることのなかった舞台裏や、オフステージのドキュメンタリーを収録。
さらに映像特典として、トヨタ自動車「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」CM曲、「Friend CM version」を初収録。押尾コータローがそのキャリアを赤裸々に語る超ロングインタビュー「Chain of Friends?20人から2000人」や本人による使用ギター解説を収録した豪華ブックレット付き。人間・押尾コータローの魅力に迫る、究極の作品!

【収録楽曲】
01.Departure
02.コンドルは飛んで行く
03.オーロラ
04.Passion
05.Friend
06.翼?you are the HERO?
07.サバンナ
08.Brilliant Road
09.オアシス
10.Dancin'コオロギ
11.HARD RAIN
12.家路
*映像特典「Friend CM version」



●文:Yahoo!オークション
●協力:コータロー音楽事務所 ●写真提供・協力:東芝EMI






■押尾コータローさんオフィシャルサイト



読者コメント(2件のコメントがあります)

聖子さん
同じ楽器、しかもユーフォニウム。運命感じますね。ギターラボも押尾さん、応援します!

投稿者:ギターラボ編集部 | 投稿日:2007年3月28日 20:12

押尾様…私も中学生の時ブラスバンドで最初トランペットをやるつもりでした…でも人数が多くてユーフォになりました。私も楽譜が読めなくて指の1、2、3で覚えてました。色々共通点があり私が押尾さんを好きになったのも運命を感じてます☆これからも応援してますので…頑張って下さい(^o^)

投稿者:聖子 | 投稿日:2007年3月25日 22:55

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