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宮内和之さんインタビュー Vol.2

宮内和之さんICEのギタリストで、Gibson USAがエンドースする数少ないギタリストの一人、宮内和之さんインタビューの第2弾! どうぞお楽しみください。



宮内和之さん基本トリオで

■宮内さんがプロになるきっかけは、なんだったんですか?

高校のときにまわりに、高校も辞めちゃって「オレ、プロになる」みたいなのがすごく多かったんですよ。パンクの影響もあって。そういうやつらが集まってはライブハウスで演奏して。僕はずっとトリオでやっていたんです。そのなかで、「コージー・パウエルになる」というすごい理由で高校辞めたドラマーがいて。

(一同笑)



コージーとおんなじツーバスのドラムを買ってね。僕たまたまジェフ・ベック・グループでファンクをやっている第2期のコージーが大好きだったのね。それで、中3のときにジェフ・ベックがスタンリー・クラークサイモン・フィリップスだけで来日したことがあって、ロックとチョッパーの融合みたいな感じでね。もうすごいな、と思ってそういうのやりたくてそのドラマーといっしょに組んだんですよ。
で、当時カシオペアのオーディションに落ちたっていう、日大のマリーンっていうジャズ研でベースを弾いていた人が加わって、3人で活動しだしたんです。拠点はライブハウスですよね。2?3回ですが、まだあのころ残っていた熱海のキャバレーみたいなところでの演奏を経験したことがあるんですよ。でも、基本的にはライブハウスでの活動でしたね。




宮内和之さん飯が食えたのはキャバレーだけ

当時は今よりもライブハウスの敷居は高かったんですよ。出ること自体が大変でしたね。

■つてがないと出られないとか?

そうそう、そうでしたね。一回昼の部に出させられて、オーナーや店長が「じゃあ、OK。でもチケットは売ってね」みたいな。(新宿の)LOFTとか、横浜のシェルガーデンなんかに出られりゃもうトップクラスという。とにかくランクがあったんですよ。僕らは、今ラママ(渋谷道玄坂)になっている、昔ショーボートってライブハウスと......。あともう一か所忘れちゃいましたけど、出ていましたね。

■音楽を演奏して飯の種になったのって......。

キャバレーだけ。

(一同笑)

■そうだったんですねー。




宮内和之さんぽしゃったデビュー話

でも、そのころ「スタジオミュージシャンみたいな仕事をやらないか?」ってある人に誘われて、ビクター童謡教室とかね。そういうレベルなんだけど、それで5,000円とかもらったりしていました。僕はまだ高校生だったから、バイト感覚でしたけどね。生活がかかっていたのは(いっしょにやっていた)ベーシストだけでね。

■高校生で、ですか......。

そうそう、高校生でね(笑)。仕事になっていたかどうかはわかりませんが、いいお金になっていましたからね。

■その3人編成のバンドは、いくつのころまでやってらしたんですか?

高校卒業までやっていました。当時横浜の氷川丸で横浜なんとかロックフェスみたいなことをやっていて、そこのアマチュア部門に出されたんですよ。きっかけは、さっき話したベーシストが、ひとり年齢も上で学生じゃないし、すごくあせっていたんだよね。「親にしめしがつかねえ」とか言ってね。僕はすごくイヤだったんだけど、片っ端からそういうのに応募するのね。イヤでさあ(笑)。今でもプロで有名な方に「うっせーバカ。こちとら出たくて出てるんじゃねえよ」なんて啖呵(たんか)切っちゃってさあ。

(一同笑)

そのたびにベーシストとは距離が開いちゃってね。で、その氷川丸のやつに出て、僕ら優勝しちゃったのね。それでソニーから「デビューしないか」って話がきたんですよ。すごくいい話だったのね。そしたら今度はそのベーシストが急に不安になっちゃって......。しまいには姿消しちゃったのね。

■ええー!?

まあ、ここでは言えないけど、なんかいろいろ奇行があったらしいのね、彼には。なんとなくわかってはいたけどね、僕らは。精神的に危なかったみたいなんだよね。そうやってある日急にいなくなっちゃって、ソニーの「デモとろうか?」って言ってくれていたディレクターにも理由は言えないしさ。大変だったよ。

写真:愛器ギブソン・ファイヤーバード




愛器ギブソン・ファイヤーバード



宮内和之さんアマチュアが長いのって、ホントつらい

■補充して、みたいなことはできなかったんですか?

いやあ、そのころはまだそういう人脈もなくて......。彼がすべてだったのね。器材を運ぶのも、クルマを運転するのもね。家もお金持ちだったので、一部倉庫みたいに使わせてもらっていたのね。もう柱が抜けちゃったって感じになって、「もういっか」ってなっちゃった。

■じゃあ、もうそのデビュー話はあきらめて?

うん。なくなっちゃったね。でも、そのときにデモを何曲かとったんだけど、当時のロックミュージシャンって僕も含めてみんなバカだから、すごいツッパっていたのね。今から思えば、ドラムのリズムが甘かったんだけど、そこをそのディレクターにすごく厳しく言われてたのね。ドラマーはそれを根に持っていて、ベーシストがいなくなったことでできなくなっちゃって「すみません。そういうことで」「じゃあ仕方ないね」ってことになった途端に、「じゃあもう関係ないんだよな。この野郎いままで偉そうにガタガタ命令ばっかりしやがって!」ってドラマーのスイッチが入っちゃって(笑)。(Yahoo!オークション注:ここからは宮内さんのご判断により、割愛させていただきます)。

その彼とは、ICEでデビューする直前までいっしょにやっていたんですけどね。でも安定を求めてやめちゃいましたね。話は前後するかもしれませんが、デビューしたとき、僕はもう27歳でしたからね。よっぽど腹を据えていないと25歳くらいで「ああ、もうだめだ」ってなるじゃない? アマチュアが長いのって、つらいんだよね。ほんとに(笑)。アマチュアが長いってことに慣れてくるのが、精神的には一番つらい。周りから一人減り、二人減り......。同級生の連中は会社の仕事にも慣れてきて、ボーナスが出ただのって言い出すし。「おまえ何やってるの?」みたいな空気が漂う時期でもあったので、みんなどんどん抜けていっちゃうしね。「困ったな」と。




宮内和之さん宮内和之セッション

■なるほどー。宮内さんはデビュー話がなくなったあと、個人的に音楽のお仕事はやられていたんですか?

ううん、全然。「もう大学いくわ」って。うまい具合に神○○大学に滑り込んだんだけどね。でもその前に僕、高校ダブったのね。バカなことしすぎて(笑)。それで大学に入って「さあやろうかな」と思ったんだけど、結局生活に追われちゃって、1年くらいは何もできなかったのかなあ......。そしたら友だちがね、「おまえはどう考えてもデビューした方がいい。できるはずだ」って言って、「宮内をデビューさせるバンドを作ろう」ってメンバーを集めてくれたんですよ。で、"宮内和之セッション"っていう名前で演奏するようになって、僕が作った曲を僕が思ったとおりに演奏してくれるバンドで。

四谷のフォーバレーに2回目に出たときだったかな。近所に文化放送があったのね。そこにアポロンというレコード会社があって、そこの桜井さんという方が見に来て、「うちでレコード出しませんか? バンドの方はいいです。あなたひとりで」って。「ソロ? オレがー?」。それでもとりあえず、ということでアポロンでデモをとることになったんです。でもね、その後がうまくいかなくてねー。世の中では僕のやっていた音楽は「一番古臭い」っていわれていたから、全然。
レコーディングは打ち込みでさ。なにがなんだかわかんないでしょ、こっち。「キーボード呼んで来て」「シーケンス打ち込みできるやつ呼んで来て」なんていわれてもわかんないわけ。どうしたらいいかわかんないし、桜井さんも一生懸命やってくれたんだけど、僕のスキルがギターにはあるけど、そういう部分はダメだしね。しかも当時僕はボーカルだったのね。

■え? ボーカル? 

うん。

■ギターは?

弾かないで......。だって重くてさ、持ち歩くのが。

(一同笑)

まあ、デビューすることになったら周りにスタッフがついてくれて、弦を巻いたりしてくれる人ができるまでギターはまあいいやって(笑)。

(一同爆笑)

で、ギタリストを2人呼んできたのね。ものすごい怒られたよ、その2人には。だってさ、演奏中に「いや、そうじゃないよ。貸して」っていって「こうやってよ」って。「おまえがやれよ、じゃあ!」みたいな。

(一同爆笑)




---宮内さんほどの腕があっても、プロの道は厳しかったんですね。次回は下積み時代のお話です。どうぞお楽しみに!



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●写真、文:Yahoo!オークション
●協力:株式会社レイトリーミュージック、スタジオTYPHOON






ICEオフィシャルサイト



読者コメント(4件のコメントがあります)

Yさん、ICE大好きさん、ひろきさん
コメント、ありがとうございます!
ほんとにいいものを作り続ける宮内さんとICEには、頭が下がりますね。これからもいいものを作り続けてほしいと心から思います♪

投稿者:ギターラボ編集部 | 投稿日:2007年3月14日 21:28

今まで、プログレッシブロック、ハードロック、ヘヴィイメタル等、ロック以外も含め、洋邦問わず様々聞いてきましたが、間違いなくICEは世界最高のバンドです。全アルバム、全曲素晴らしいし、様々な音楽のエレメントが宮内氏のフィルターを通して、独自の世界感で解釈されICEとして仕上がるのは毎回圧巻です。ギターテクニックは無論のこと
キーボードの音色選びや繊細なアレンジこれからも、変わらぬ音楽を作ってほしいです。もうかれこれ10年近くファンですが、宮内氏の音源は全て一生モノです。

投稿者:ひろき | 投稿日:2007年3月11日 07:10

宮内さんと 同い年の ロック大好き親父です。30年程 内外問わず いろいろなジャンルの音楽を聴きましたが ICE が新旧問わず 一番クオリティの高いバンドだと思います。ぜひ 私の住んでる大阪でライブして下さい。

投稿者:ICE大好き | 投稿日:2007年3月 9日 19:10

Vol.2,待ってました!
宮内和之さんは、僕が最も尊敬するギタリストです。
こういう記事が読めて、とても嬉しいです。
次回も楽しみにしています。

投稿者:Y | 投稿日:2007年3月 8日 22:01

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