国岡真由美さんインタビュー

ice 国岡真由美さん ICEファンのみなさま、長らくお待たせいたしました。2009年11月24日、ついにiceが再始動。そのice LIVE『Speak Low』の模様を、国岡真由美さんの久々のインタビューとともにお送りします。国岡さんの現在の心境、今後の音楽活動に対する思いを一挙公開。まずは、ライブの模様をすばらしい写真(スライドショー)でご堪能ください! ギターラボ2009年最後の更新です。

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撮影:細谷明宏





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メンバーの力で

■お久しぶりです。

そうですね。お会いするのは本当に久しぶりですね。

■国岡さんがライブをされるというニュースと、ライブレポートやりますという告知をしたら、何人かの熱心なICEファンの方から「期待してます!」といったお言葉をちょうだいして、実はすごくプレッシャーなんですが......。

(笑)

■あれから(ライブから)少し時間がたちましたので、余裕を持って振り返ることができるのでは? と思いいっしょにレビューをさせていただければと思います。

はい。そうですね。

■今回のライブ、ギターなしというクレジットだったので二通り考えたんです。ひとつは崩場さんが宮内さんのギターをサンプリングした音源を使う。もうひとつはホントにギターなしのピアノトリオ+ボーカルでやる。どっちなんだろうと下世話に考えていたんです。

わたし的にはこのあいだの形(ピアノトリオ+ボーカル)が一番自然でしっくりくるし、誰かほかのギターを入れてやるというのはしっくりこないし、ましてやいない人の音を使うっていうのはね。ICEではもちろん打ち込みの音は使うことはあったけど、いない人の音が鳴るっていうのはあまり好きではなかったしやっていなかったので。なんら根拠はなかったのだけど、絶対3人+わたしでできるって思っていたのね(笑)。それはメンバーの力が大きいですよ。あのメンバーなら絶対できると。

■ピアノトリオ+ボーカルで、ちゃんとその編成の曲になっていましたし、どの曲もすごく新鮮でしたね。オリジナルに近いアレンジの曲では聴いている人が勝手に頭のなかでギターを鳴らしていたような気がするんです。

それ全然ありで、聴く人が自由に聴いてくれればいいって宮内くんもずっと言っていたし、わたしもそう思うし。ただ基本的な編成はこれで、というのがわたしや(メンバー)みんなの意思表示であって、それをどういうふうに聴くかというのはそれぞれ自由だし。たとえば今回のライブがギターがいなくて物足りなくて、打ち込みでもいいからギターを鳴らしてほしかったと言われたら「あー、そうなんだー」とは思うけれども、今はそれを取り入れようとは思わないかな。

■これを言っちゃうとそれまでなんですけど、みんな国岡さんの歌が聴けるだけで満足だから。

ちょっと。まあ、それはそうですが......。(若干しどろもどろ調で)わたしの歌に関して言えば、本当に今までプロとして何年かやってきましたが、ああいう形でやるということはデビューしたてみたいなものなので......。わたしの歌に関しては......(笑)、まあせいいっぱいやりましたけれど。これだけはやりたくないと思っていたことをいきなりやっちゃったからね。そのへんはまあ(笑)。 大丈夫だろうと想像していたのと現実は違ったっていうことですよね。

リハをやっているときは全然平気だったから、「これならライブもいけるじゃん」って軽く思っていたんですけれど(笑)。やっぱり実際ライブになって、お客さんといっしょになると普通ではいられなかったですね。うん。まあ、ある意味いい経験をしたなーって。ああいう経験って、本当にICEでデビューしたときよりも緊張したし。あんな感じになったことは一度もなかったから。ね。

■ものすごく特殊な状況ですものね。目の前にお客さんがいて、ワーッてなれば、ねえ。

そうですねー。またね、あったかいっていうかなんか見守ってくれてるっていう感じのお客さんばかりなので、このライブに至るまでも「いつまででもいいから待ってるね」という人ばかりなので。やっぱりね、それはね。

■ですよね。会場の前に「チケット譲ってください」というファンの子がいましたね。ぼくは余裕かましてゆっくり会場入りしたら、座るところなんて全然なくってもうびっしりでしたね。

そうなんですよね。わたしは基本的に自分がゆっくり座って見たいほうなので、イスを用意して座って見てほしいと思ったんですけど、イスを減らせば立っている人もゆったり見られたかもとは思いますが。立って見ていても平気なものなのか......(笑)。

■平気ですよ。

そう?

■ええ、2時間くらい(笑)。終わったあとで「うわ、足痛ぇー」でしたけど。

(笑)見てるときは集中しているからね。後でくるのね。2時間もやってたんだ。たぶんしゃべりが長くなったからだと思います。

■メンバーがみんなやさしく気遣って。

そうですねー。そんなみんなに助けられて。




ice 国岡真由美さんわたしが今やりたい形がこれ

■3、4曲目あたりからエンジンがかかってきた感じでしたね。しり上がりによくなっていくというか。


そこはね、よくわかんないんですよ。覚えいないというか。ごめんなさいね。もうしょっぱながアレだったから無我夢中でしたよ。なんか一生懸命やったら終わってた、みたいな(笑)。すみませんね、ホントに。「アナタいちおうプロでしょ?」みたいな。

(笑)

■今回のアレンジはみなさんで?

そうですね。崩場さんが中心でみんなでああでもないこうでもないと。演奏的には3人でできることということでやっていこうと決めていたので、まあオリジナルの音や、今までライブでやっていた音に近づけたものもあるし。全然変えたものもあるし。形になったものが「いいじゃん!」だったらそれでいいかなと。

■すごく感じたのは、ギターの分までがんばろうという感じじゃないところ。このメンバーできることをしようというところが伝わってくる構成だったので、全部新鮮でしたね。

正直、みんながこの形をどう受け止めてくれるのかっていうのは想像もつかなかったし、「いまいち」って言われてもそれはそれでしょうがないかなと思っていたけど、わたし一人の歌では成り立たないし、演奏するミュージシャン個々の力で成り立つものだし。すばらしい才能を持ったミュージシャンばかりだから。ライブってそういうものですよね? わたしだけでいいんだったらオケ流して歌えばいいわけで。

わたしはいつも、これは宮内くんとやってたときも思ったことだけど、曲は歌う人が背負うものだと、聴いてる人からすればそういう印象なんだと思うんです。でも、優劣をつけるわけじゃないけど、いい曲であればそれはどんな人が歌ってもいいだろうと思うし。わたしは気持ちのいい演奏のなかで歌いたいんですよ。......なんかえらそうな感じになってきましたねー(笑)。わたしの歌だけだとつまらないと思うんです。いい演奏があって、その演奏にわたしが力をもらって表現できる訳で......うーん。ごめんなさいね、異論があったらおっしゃってね。たぶんそれは自分がライブを見ている側であってもいい演奏があれば気持ちいいなって思えるし、演奏の力は大きいと思うから。

■そんなことはなからやる気はないでしょうけど、オケを流して国岡さんがひとりで登場して歌っても、それはそれで盛り上がっただろうし「よかったね」ということになると思いますよ。でも、それだとこれからのiceが見えないしね。だから今回のようにギターなしでも国岡さんの歌が生きるアレンジを施して、20年近くいっしょにやってきた互いを知り尽くしたメンバーだからこそできるいい演奏があって。それが終始あのライブを支配していたと思うんです。

それすごくうれしいですね。わたしは基本的に伝えることが苦手なんですよ。今回のライブのわたしの思いは、こういう形でわたしはやりたいと思っていることと、みんなに「ありがとう」というライブをやりたいと思っていただけなんですよね。だからある意味やりっぱなしと言ったら語弊はあるけど、そういうふうに受け止めてもらえたらうれしい。一生懸命こっちが言葉にしてホントに本当にわかってもらえるようにしなくても、演奏で伝えられているというのはメンバーの力が大きいと思うけど、すごくよかったと思いますね。

■あの会場にいたみなさんがそう感じたとい思いますよ。来年(2010年)の2月に同じ場所でまたライブをやると発表されて、「次回は今回入れなかった人に来てほしいと思います。あ、ここにいるみなさんにもぜひ来ていただきたいですが」とおっしゃっていましたけど、また来ますよ、みなさん。もっと聴きたいと思いましたもの。以前のICEもすばらしかったけど、4人の呼吸がちゃんと合っていて、もちろんそれを裏打ちするテクニックにも秀でているからなんですが、こんなに落ち着いて身をゆだねていられるiceってカッコいいと思いましたよ。

(笑)

そういうライブがやりたいわけですよ。




ice 国岡真由美さん「ICE」は宮内くんっぽい、だから「ice」で

■そういえばMCで「今回はわたしが選曲しました。今までは全部却下されていましたが」っておっしゃっていましたね?


ああいうふうには言ったけども、わたしはこれを採用してほしいと思って言ったのに却下されたってわけではなくて。
「みんな考えてみて」って宮内くんが言ってくれて、で、わたしはあまり音楽の世界にいながらお恥ずかしいのですがいろんなことが素人で、曲の構成だとかあまり詳しくないというか何を基準にしたらいいかわからないし、とりあえず並べてみてこれがいいんじゃないかなと渡すんだけども、「ふーん......」くらいな感じなのね。

(笑)

この曲のキーはこうだからとか、よくわかっていないから似通った曲でも並べてしまったりとか。わたしは気に入った曲は何度でもリピートして聴けるタイプなのでまったく苦にならないのね。そういうところがたぶん......、うん。そういう感じなので却下されても異論はなかったし。わたしより全然優れた人がいるわけだから彼に任せたほうが当然正解であって。でも今回はもう宮内くんもいないわけだし、自分で考えて。メンバーが音色とか使う楽器のこととかキーのことを考えて、全体の構成を考えてくれたわけです。

■だからでしょうね。自分が歳をとったせいだとも思うんですが、じっくり聴ける曲が多かったのはうれしかったですね。今回の選曲はすごくよかったと思っています。

あ、よかった。もうちょっと盛り上がれる曲があってもよかったかなとは思うけど。わたしも人のライブにいくときにすごくノリノリでファンキーな曲を求めていなくて、すごくミディアムだったりスローだったりしても全然平気。演奏にグルーヴ感があれば大丈夫かなと思うんですよね。

■同感です。あくまでも私見ですが、国岡さんの声って今回の選曲の感じにいちばん合っているような気がするんですよ。

なるほどね。まず第1歩なわけですよね、このあいだのライブは。こんな感じでやりたいってわたしたちが思っていても本当にこれでいいのか? という不安もあったし。この先「え、これはこの編成では無理でしょ」っていうものでもできる可能性はあるしね。 まず第1歩を踏み出すときに再スタートのライブとか、復活のライブ。そういう感覚ではやりたくなかったし、そういう名目では表には出したくなかった。

期間は空いたけど、今までの活動の流れとして、「Speak Low」のアルバムを出してからそのライブをやっていなかったのでやりますよ的な。そういう気持ちでやりたかったので、タイトルを「Speak Low」にしちゃったんだけど。実際はわたしがプレッシャーに感じたくなかったからかもしれないですけどね(笑)。

■ICEの表記を、小文字のiceにしたのはなぜですか?

わたしはICEでやっていくんだから(表記も)ICEでいいんだけど、なんとなく宮内くんいないってことを考えたら、あの大文字の力強さより小文字のほうがしっくりくるなと思って(笑)。なんとなく大文字の「ICE」が重かったのかな。小文字のほうが気が楽だった。というそれだけのこと(笑)。でも、あの(ライブの)感じだと小文字のほうが似合うでしょう?

■うん、たしかに(笑)。

あれ(大文字のICE)、まさにあれは宮内くんって感じがするから。

(笑)

今まで二人でやっていたときにも小文字を使ったこともあったんだけど、宮内くんのなかでは小文字はしっくりきていなかったのね。やっぱり大文字でと。いなくなったからそれは許してもらおうかなと思って小文字にしてしまいました。




ice 国岡真由美さん尊敬する宮内くんが選んでくれたことを自信に

■最後に「ラヴァーズ・ロック(Yeah!Yeah!Yeah!)」を選んで、「これは(宮内さんとわたしの)二人の曲だと思う」とおっしゃっていましたよね。ぼくも個人的に宮内さんの思い出とかぶったのでにわかに喜んだのですが。


明るく始めたいと思ったんですよね。で、何度も言いますが(笑)、絶対泣きたくないし明るく始めたいと。だけどちょっと無理が......。いきなり「ラヴァーズ・ロック」ってなんか無理があるなと。リハをやっていて。で、もうどこに置くかといったらもう最後しか......、ねえ。

■あれ1曲目は無理ですよ。もっとボロボロになっていたと想像に難くないですよ。

ね。こういうこと言っていいのかな......。いいのかな。......んと、今回ライブをこういう形でやることになって、あらためて歌詞を意識して歌ったんですね。今までここまで意識して歌っていなかったなと思ったんですよ。それであらためて、こういう状況になったからかもしれないけれども、それぞれに思い入れが。ぶっちゃけ言うと(笑)宮内くんが作った曲は全部ふたりの曲だ、ぐらいな感じではあるんだけど。

(笑)

ほんとはみんなの曲なんだけど、わたしの個人的な思いで「ひとり占め」みたいなことを思ったりはしたかも。でもホントだよね、これ最初だったらもっとまずかったね(笑)。

■どなたかが書いた記事だったと思うんですけど、国岡さんを評して「これだけ歌い上げない歌唱法で情感を伝えられる歌手はほかにいない」って。

そうなんですかね(笑)。いやいや。そういうふうに歌えたらそりゃいいだろうとは思いますが、自分がそれをできているとはちょっと思わないですね。

■いや、そういうシンガーなんですよ。ってぼくが言ってもしょうがないですけど。

わたしも好きな人、いいなって思う人はそういう人かもしれない。歌い上げる人にも好きな人はいるけど。でも、それはできないからしょうがない。歌い上げられないんです(笑)。それは曲の持つところも大きいと思いますよ。

■たとえば「I saw the light」をほかの人が歌ったらどうなっちゃうんだろうとか......。

うん。それはわたしも興味ありますよ。ホントに。

■あれをね、あんなふうにさらっと歌ってこっちが泣けるってそうそうないですよ。曲ありきですけどね。

いやいや泣いてください! やっぱり泣くことは大事ですよって(笑)。自分を正当化したりして。

(笑)

■しかもちゃんと伝わってくるし、やっぱりそうざらにはいないよなと。

ほめすぎ! ほめすぎだと思います!

(笑)

わたしは、わたしがすごく尊敬している宮内くんが、わたしを宮内くんが書いた曲のボーカルにしてくれたってこと、それを信じてがんばろうと思うようにはなりましたよ。なりましたけど、あまりこう......ほめられると。わたしは満足できる状況になったことはあまりないし、自分の歌を「すごくいい」と自分で認められるところに至っていないので、そういう状況もいやだし、満足する歌を歌いたいんです。でもね、努力はすごく苦手。

(笑)

だからね、がんばってがんばってっていうのじゃなくね、希望としては毎回気持ちよく歌えて満足できるライブをやりたいっていうのが切なる願いなんですけど......。そして、その満足した気持ちよさを続けていきたいんです。満足しちゃったら先がないって努力している人は言うんですけど、わたしの感覚のなかではその満足した気持ちよさを続けたいからやるんじゃないのかな、と思うんですけど。わたし努力家じゃないので(笑)。

■まだ上がいるって思うことで、満足されたらその上の目標ができるんじゃないかなと。

そうかなぁ。

■そういう意味でも、今後の展開が楽しみだなと思わせてくれるライブでしたね。

今後もしばらくはあの形でやりたいと思っているので、いろいろな曲があの形で増えていくって感じですよね、ベースは。先のことはどう考えが変わっていくかわからないですけど。すごく気持ちのいい演奏のなかで歌を歌っていくっていうのが今のわたしがやりたいと思っていることなので、当分はライブを続けていきたいと思っていますね。

■今回聴きにこれなかった人はとっても残念なので、次回は必ず見てほしいですね。

そうですね。待たないと見られないっていうんじゃなくて、同じようなライブでも「またいきたいな」って思って調べたら「あ、また数か月後にある」っていう、それが当たり前な状況になればいいなと思うんですよ。いつでもこの感じをお客さんが体験できるようにはしたいなーと思っています。まあ、それはこれからなので。




ice 国岡真由美さん自分にできることを考えたら......歌しかないなと

■もう一回歌おうって思うまで相当時間がかかったと思うんですが、歌いたい、表現したいって思う原動力になったのってなんだったんでしょう?


それはきっと「やめよう」と思ったから。そういうふうに思ったから、なんていうのかな、究極の決断は自分のなかでしていたから、逆にいろんな周りの人の声とか、冷静に今まで自分がしてきたこと、自分にできることを考えたときに......歌しかないなと。
それはバンドのメンバーもいましたが、宮内くんとふたりで作るあげてきたものだというのもあるし。そうね。伝えていくっていうか、まあ結局待っている人が一人でもいるんだったらそれは求められていることになりますよね。みんなの思いに応えることって、結局歌うことしかないわけで(笑)。やめようと思ったこともあるし、本当に歌おうを思うまではやらないと思っていたから、自然に。だから原動力ってなんなんだろう? うーん。

まず第一に自分のことを考えた。自分に無理のない日々を送ることを考えた。で、余裕ができてきて自分がやれることってのを考えるようになった。たぶんこれが自然な流れなんですよね。

■そうですね。自然ですよね。やる側も聴く側もホントにそうしたくてあの場所に集まって、そしてあんなすばらしいライブを共有できたという感じでしたね。ところで、ライブの夜はなかなか眠れなかったんじゃないですか?

うん。眠れなかった。というか、それもまた今までに感じたことのない感覚でしたね。
やっぱり実際にライブをやって、あの編成の内容などに関してはなんの後悔もなかったしすごくよかったと思ったんですが、ある意味「ああ、わたしはやっぱり宮内くんなしでこれからやっていくんだな」っていう現実をすごく感じたんだと思うんですね。彼の不在、日常のなかでのそれには慣れたけれども、ライブでの、iceとして活動するうえでの彼の不在っていうのはあれが初めての体験だったから、そこで大きく複雑なものがあったんだろうと思いますね。でも、それはいつ第1歩を踏み出したとしても必ずあることだろうし。これからいろいろな新しい経験をするごとに新しい感情を持つことになるんだなあと。いい意味で新しい発見というか、「へええ?」って思いましたね。

想像では大丈夫と思っているけど、実際は違うことも大きいし。これから先もどんどんそういうことがあると思うし。まあ、でもそれって人としての新しいスタートっていうか。年齢を重ねるとだいたい想像がつくでしょ、こういうことが起きたらこういう感情になるなって。まだまだそうじゃないことも多いんだなって。

■そうですね。まだ未知の感覚ってありますね、この歳になっても。でね、生意気言っちゃいますと、実はライブの前にインタビューの日程を決めようってやりとりしたでしょ。

ええ。

■翌日くらいの予定も入ってたんですよ。でもね、絶対無理だって思ったのもあって、今日にしてもらったんですよ。

わたしもね、「ああよかったー。今日じゃなくて」って思ったんですよ。もう超落ちてたっていうか、ちょっとね。ふだんのラインが(目線くらいをさして)ここだとしたら、(テーブルの面くらいまで下げて)このくらいだったからね。まあうまく世のなかはできているんだなって。それを見越してうまい具合に今日になっているんだなって思いましたよ(笑)。

■テクニックや演奏のすばらしさだけじゃない人間的にもすばらしいメンバーに恵まれているし。人徳かも......。

(笑)

わたし、自分が思っている以上に支えてもらっていると思いましたね。ほんと心強いです。ふだんそういうふうなことを思わせない仲のいい友だちみたいな感じなので。スタッフに関してもそうだし。そう思ったとき、「なんでわたしなんかに?」って思うんですよ(笑)。でも、それに応えるには歌うしかないんですよ。歌うのみって感じですね。

たぶんね、ちょっと背伸びをしてがんばるとか、それはそれでありだと思うんですけど、わたしはそれができない。いっしょにいる人たちはわたしのそういうところも理解してくれて支えてくれているんだと思うんですね。背伸びをすると無理が生じてくるので、気持ちとしては日常生活しているなかで、プラッとライブをやりたい、っていう感じなんだけど(笑)。なかなかそこまでは。




ice 国岡真由美さんBLINDHEADZでの活動も

■最後に、MCでおっしゃっていたライブの終演後に流されたBLINDHEADZの新録音ですが、正直驚きました。今回のライブのニュースだけでもすごかったのに......。うれしい驚きなんですけどね。


そうですね。流れでそうなったっていうか。BLINDHEADZの2人のメンバー、KANAMEさん(Bass)とGRICOさん(Drums)とはたまに会って話したり飲んだりさせてもらっていて、その話のなかで「宮内くんはいないけど3人でなにかやろうよ」という話になって。私も彼らとはいっしょに何かやってみたかったし、宮内くんがやっていたときにいつも見ていて、私もBLINDHEADZのファンだったし。現実的なこととか何も考えずに「やりたい」という気持ちだけだったのね。

「じゃあ曲もあるし、歌ってみたいと思ったらプリプロしようよ」みたいな話になって2曲録ってみたんですよ。そしたら「せっかくだから形にして聴かせてあげることができたら、お客さんも喜ぶんじゃないの?」って言われてね。とりあえずトライしてみて無理ならあきらめようと思ったんだけど、まあ、できたから(笑)。

■お客さんはみんな聴きおわるまで帰らなかったですからね。

そうですね。ありがたいことですね。ただ、あれはiceのライブという場だったから、私が歌っているとはいえBLINDHEADZの曲を流すのはどうなのかなぁと思ったりもしたけれども......。そんなことはまあいいかと。具体的にこれからちゃんとレコーディングに入って、発売が決まっていますということではないけれども、「このライブだけで終わりではないよ、ということが少しでも見えればいいんじゃない?」っていうみんなの提案だよね(笑)。「そ、そっかぁ」って私はそのとき目の前にあること以外はなかなか考えられないから、とりあえず11月ライブってことしか頭になかったんだけれども。まわりに押されて、って感じですかね。

■あれは2曲とも......。

あれはKANAMEさんが曲を作っていて、「こういうのあるけどやってみる?」「うん、じゃあやってみよう」と。そしたらいい感じだったので。KANAMEさんGRICOさんの思いってどこまでどうとか深くはわからないけれども、結局私が歌うという共通項があったとしてもiceとBLINDHEADZは全然違っていて、いい意味でかんたんにやってみようという気になれる。新しい曲を作るってことも「やってみよう」という気になれるけどもice名義ではまだそんなふうに考えられなくて......。

iceとしてはとりあえず今までの宮内くんの曲をライブで演奏していきたいという気持ちが強くて、逆にBLINDHEADZはギター、ベース、ドラムのトリオだったから、ギターなしの編成ではice以上になかなかライブをやることが難しいでしょ。イメージができないのね。

■2曲目なんて宮内さんの作った曲? というくらい違和感がなかったというか。それは国岡さんが歌っているからそう聴こえるのかもしれないんですが。

うん。その辺はまだ宮内くんがいたころのBLINDHEADZの色のままで、私がプラスされてやっていくのか。それともICEよりというかそういう印象を与えるものになるのか明確なものはまだわからなくて。どちらでもいいと思うんですよ。いろいろやってみていけばいいかなと思っています。戦略みたいな深いことは考えていないですね。しっくりくるかこないか、というだけで判断している感じかもしれない。そんな感じでやっていこうと思っています。

現時点では線引きというか、iceで新しいものを作っていくときがいつか来るかもしれないけど、それよりも、今はそこにある曲をライブでやっていきたいという思いのほうが強いから。


---2年ぶりのインタビューで、私は国岡さんから「歌いたい」という強い意志を感じました。表現の仕方も自分なりに工夫し、バンドのメンバーの力を信じて力強く一歩を踏み出した国岡真由美さんと新生「ice」。これはぜひご自身の目で、耳で確かめることをオススメします。そんな「ice」を、ギターラボも陰ながら応援し続けたいと思います。




ice 国岡真由美さん11月24日のセットリスト

国岡真由美(ボーカル)、山下政人(ドラムス)、小川真司(ベース)、崩場将夫(キーボード)


1.BLUE MOON
2.ビューティフル・ソング
3.Life Is Blues
4.TABOO
5.ALONE
6.kozmic blue
7.FUNKY MUSIC SHO NUFF ON
8.I saw the light
9.JUNKFOOD JENNY
10.SHERRY MY DEAR
11.EYES
12.GOOD NIGHT
13.WAKE UP EVERYBODY
〜アンコール〜
14.Sausalito Callin'
15.Red Moon
16.ラバーズ・ロック

決定! 2010年2月8日、9日(2DAYS)吉祥寺STAR PINE'S CAFE




ICEオフィシャルサイト(外部リンク)



●文:Yahoo!オークション
●協力:Firebird Record、吉祥寺 STAR PINE'S CAFE(外部リンク)



読者コメント(12件のコメントがあります)

オフィシャルブログで、その後も順調に活動を続ける国岡さんの姿を拝見できますね。よかったです! またいつかお話する機会がありましたらお届けします。

投稿者:ギターラボ編集長 | 投稿日:2010年8月13日 10:23

真由美ちゃんおかえりなさい。
ライブ画像を見て涙が止まりませんでした。
東京以外でのライブも是非お願いします。
私は神戸です^^;

投稿者:take | 投稿日:2010年3月17日 20:50

ライブ初め、「あれ、国岡さんってこんなに小さかったっけ?」というほど小さく見えていた。それがいつしか「あ、普通に戻った」と気づいた。ああもう大丈夫だろうと安心して家路についた。

投稿者:kana-b | 投稿日:2010年2月13日 14:51

ice=国岡さんでいいじゃないですか。
宮内さんがあって国岡さんとともにICEをここまで育て上げてきて、
これからは国岡さん=iceとして歌い続けてください。
国岡さんの歌声、宮内さんにもきっと届いていますよ。
そして、喜んでいると思います。
フレー!フレー!国岡!!
2009年が終わりにさしかかって、国岡さんの復活した姿を観れてうれしかったです。
いい年でしたよね、宮内さーん!!!!

投稿者:seiryo | 投稿日:2009年12月31日 11:19

真由美さん、iceのメンバーの皆さん
ただ、嬉しいです。これから先、またあの歌声を聴けることにありがとうと言いたい。2月の2Days、楽しみにしています。

投稿者:xlh74ci | 投稿日:2009年12月30日 10:28

記事を拝見してすぐにはコメントが書けませんでした。
ライブに行けただけでも幸せでしたが
時の流れを遡って、ICEとiceを今この場にいてそっと感じられることに、
しらせてもらえる場所に、とっても感謝してます。
今年のクリスマスプレゼントはすごかった!(笑)ありがとうございました。

投稿者:お塚 | 投稿日:2009年12月30日 08:32

ギターラボさん。
年末のお忙しい中、非常に興味深いインタビューお疲れ様でした。
何回も読み直してしまいました。写真も素敵です。


真由美さん。まずは再始動おめでとうございます。
運良くこのライブに参加させてもらった一人ですが
感傷的になりながらも非常に素晴らしいライブでした。
新しくシンプルに施されたアレンジも逆にメロディを際立たせ
崩場さん、小川さん、山下さんの演奏能力をこれでもかと
楽しませてもらいました。


徐々にエンジンがかかっていく真由美さんやメンバーの
素晴らしい演奏にノリノリになってしまい
椅子から落ちそうになってました(笑)
この新生iceたまりません!!


やっぱりiceは良い曲が多いなと思った事と
真由美さんの歌は唯一無二な存在だと改めて感じました。
2月のライブも出来れば行きたいと思っています。
これからも頑張って下さい。応援しています。

投稿者:しょうじ | 投稿日:2009年12月29日 16:46

お詫びと御礼
まずはじめにお詫びです。公開されているコメントのほかに数点、心あたたまるコメントを
頂戴しておりましたが、私の「公開操作ミス」により、それらのすばらしいコメントを削除
してしまいました。コメントをくださったみなさん、本当に申し訳ございません!
もし「仕方ないなぁ」と寛大なお心でお許し願えるものでしたら、再度コメントを投稿してください。
勝手を言いましてまことに申し訳ございません! 年明け4日にあらためて公開させていただき
たいと思います。

御礼
ICEファンのみなさんの温かい応援で、国岡さんが再び歌うことを決めてくれました。
こうしてすばらしいライブが開催されましたのも、みなさんのお力によるところが「大」です。
ギターラボも微力ではございますが、応援していきたいと思いますので、引き続き温かな
目で見守っていただければと思います。なにとぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

投稿者:ギターラボ編集部 | 投稿日:2009年12月29日 12:14

できたら東京以外でのliveもお願いいたします。

投稿者:almera | 投稿日:2009年12月28日 08:35

真由美さん、おかえり。

投稿者:クラーケン | 投稿日:2009年12月26日 15:51

真由美さん
これからも自然体で歌ってください
真由美さんの歌声 大好きです

投稿者:makiko | 投稿日:2009年12月26日 02:21

すばらしいインタビューありがとうございます!
ギターラボさんも色々といそがしいなか、アップするのは大変だったと思いますが、
真由美さんの思いと宮内さんの願いと、ギターラボさんの気持ちが伝わってきました。
ほんとうにありがとう!思いがけないクリスマスプレゼントです。
また、2月も行きます!(笑)

投稿者:もろは | 投稿日:2009年12月24日 20:00

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