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松原正樹さんインタビュー Vol.1

2016年2月8日。がんでこの世を去った松原正樹さんを偲び、2004年秋に収録させていただいたインタビューを再掲します。

松原正樹、日本を代表するギタリストのひとり。その活動は数え切れないスタジオでのセッションワークに始まり、なかでもユーミンのアルバムでの仕事はつとに 有名。その歌心あふれる音色は多くの人々の心に残っています。1980年代初頭はフュージョングループ「パラシュート」として活動。その後ソロギタリスト として数多くの名盤をリリースし現在にいたっています。そんな松原さんが10月20日にアルバム2枚を同時リリース! その最新アルバムやギターについて お話ししてくれました。今回はその第1回目です。



■アルバム2枚同時リリースのわけは......。
松原正樹さん 50歳になった区切りとして
ぼ くはRocking Chairというインディーズレーベルで、ずっと「HUMARHYTHM」シリーズというタイトルのアルバムをリリースしているんです。「I」「II」 「LIVE」とリリースしてきて「次はどんなのにしようか?」ってときに「そういえば今年で50(歳)だから、記念に残るようなものを作ろうか」って話に なりまして。仲間内から「どうせやるならロックをやってくれないか」という注文が出たんです。

「うーん、ロックか。それもいいかもね」と思ったんです。「三つ子の魂百まで」っていうじゃないですか。原点回帰という感じで「ロック・コンセプト」で行こうと決めたんです。

それとは別にaosisレーベルからもアルバムをリリースしているんですが、今年は「Rocking Chairでロックをやるなら対比となるような内容がおもしろいだろう」ということで、思い切って全編アコースティックの演奏で、と決めたんですね。そし て記念ということにふさわしいように、今まで発表してきた作品のなかから選んで「セルフカバーでやってみよう」ということになったんです。レーベルは違う けど2枚同時にリリースして「動と静」っていうか対比を楽しんでもらえればということで。

■「HUMARHYTHM III」は、非常にロック色が強く、いつも以上にギターの音がひずんでいます(笑)。こうなったわけは?

さきほど言ったように「ロックで行こう」と決めたということもあって、いつもよりディストーションっていうのをすごく意識して作ったアルバムなので、いつになくひずんでいるんだと思いますね(笑)。

■松原さんは今年で50歳になられたそうですが、そのことはアルバムに影響していますか?

ぼくは40代よりも50代のほうにあこがれがあったんです(笑)。先に50になった医者の友だちがね、「50はいいよ。40の後半は四苦八苦するんだよ。50になると肉体的にも精神的にも楽になるんだよ」って言うんですね。そういうこともあって早く50になりたいなと(笑)。それから50になって「新たなる一歩」という意味と、「今までの総まとめ」という意味と、そういう両方の意味をこめた「区切り」となるアルバムを作ろうと思いましたね。

松原さんと今回の2枚のアルバムで使用された愛機
上写真:松原さんと2枚のアルバムで使用された愛機の数々

■アルバム中でご使用になったギターを教えていただけますか?

コンバット1本、バリータが2本。基本はこれですね。バッキングと同じギターで演奏すると区別がつかなくなってしまうので、ギターとアンプを変えたりしながらレコーディングしました。あと335も使いました。

できるだけシンプルに
■「HUMARHYTHM III」はいままでのシリーズとここが違う、というポイントはどこでしょう?

高校時代いっしょにバンドやっていた仲間にね、「おまえのアルバム、最近曲が難しくてコピーできないんだけど......。弾けねぇよ」って言われてね。「そういえ ば確かに難しいコード使ってたなー」って思い当たりました。「じゃあ、今度のは弾けるのにしてやろう」と。なのでできるだけシンプルなコードで、シンプル なメロディーラインを心がけて作ったんです。全曲そういうわけにはいかなかったんですが(笑)。

今まではアンサンブルのフォーリズムとい うことで、キーボードがコードを弾いてる感じが多かったんだけど、今回は極力キーボードを入れなかったんです。部分的にオルガンが入ってたりはしますが、ほとんどをギターでやっているというのが今までといちばん違うかもしれないですね。アコースティックのほうも極力キーボード入れてないし。今までのなかで いちばんギターっぽいサウンドだよね。あまりキーボードの出番なかったもんね(笑)。(と奥様であり、キーボード奏者であり、作曲・編曲家の南部昌江さん に問いかける松原さん)
南部さん:最初からそのつもりで曲作りもしましたしね(笑)。

エフェクターは使ってません
■「HUMARHYTHM III」ではどんなエフェクターを使用されたのですか?

これは全然エフェクターは使ってないのね。ボリュームペダルくらいかな? アンプ直結ですね。アンプはトゥーロックとイグネイターですね。ミックスのときに エフェクトっぽいものをかけたりはしてるんだけど、録音のときは必要ないって感じでしたね。エフェクターはいっぱい持っているんですけどね(笑)。ホント にね、このアルバムではあえてエフェクターは使わなかったんです。残念(笑)。

ふだんはそれだけじゃ仕事にならないけどね。コンプとオーバードライブとフェイズシフターとか、ワウワウペダルとかそんな感じだね、基本は。それぞれ何個かずつ持っているから、そのなかから「どれがいいかな?」ってかんじで使うんだよね。

アルバム「HUMARYTHM 3」ジャケット ■HUMARHYTHMシリーズは、打ち込みをいっさい使用せずに、人間の生演奏にこだわったシリーズですよね、今後もその路線でいく予定ですか?

うん。これは今後もずうっとこだわっていこうと思っています。


----50歳を迎えたことが今回のアルバム作りに大きく影響したことは間違いないようですね。またご夫婦の仲むつまじさもうらやましいかぎり! 次回は11月23日。

インタビュー・文/ヤフオク!

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