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角松敏生さんインタビュー2006 Vol.3

角松敏生さん角松敏生さんのインタビューもいよいよ今回で最終回。ビッグな情報もありますよ。どうぞお楽しみください!



インタビュー中の角松敏生さん



タイトルチューン「Prayer」

■アルバム自体が職人技の世界ですよね。ミュージシャンももちろんすばらしいのですが、角松さん自身の歌も説得力ありますし。(アルバムの)なかでも「Prayer」という曲がすごく好きなんですよ。イントロがアガルタっぽくていいなあ、と。

ああ(笑)、なるほど。
「Prayer」っていうのはタイトルチューンになるわけなんですが、ある曲を作り終えて「さて帰ろう」と思っていたときに(頭のなかに)「アーレアーレアーレレイヤ」っていうパートが聴こえてきたんですよ。それをコンピュータに記憶させておいて翌日前後を作り始めたんですよ。

実はある機会に、伊勢神宮に2年前に初めて行ったんですね。その場の清冽(せいれつ)さに「ああ、きれいだな」「荘厳だなあ」って思いが自分のなかにずっと残っていて、「アーレアーレアーレレイヤ」とシンクロしたんです。伊勢神宮だけではなく沖縄の有名な御嶽(うたき:沖縄地方で村の中心となる聖地)だったり、西アフリカの風景とか、中米のマヤの風景とかいろんなものが頭のなかをグルグル回りだしたんです。
それで「アーレアーレアーレレイヤ」のところにどんな詞をのっけようかと思っていたんですけど、「このままでいいや」みたいなね(笑)。自然とそれが自分のなかの祝詞(のりと:神に祈るときに神前で唱える古体の言葉)みたいになっていったんですね。それで「ぼくのなかのPrayer」という詞が浮かんだ。
宗教とか人種とかを超えたどんな人でも、いわば、どんな民族でもどんな宗教の人でも、ものすごい夕日とかみてジーンときたり、涙もろい人は泣いちゃったりするでしょ。あの心情を曲に写し取りたいっていうのが「Prayer」のテーマなんですね。


そういう形で作っていったので、チアキが入っていたり、大儀見(元)さんにすごくアフリカンっぽく(パーカッションを)たたいてもらったりとか、いろんな祈りが隠されているんですよ。
最初のブレイクダウンのところで、アフリカのチャントなんかをサンプリングして貼り付けようかなとか思ったんですけど、それじゃなんかつまらないと思ったんです。

ミラクルバナナ」のサウンドトラックのときに、下地勇さんにオープニングを(沖縄の)宮古方言で早口で歌ってもらったんですね。あれはどこの言語か分からない、外国語? みたいなおもしろさをねらったんですね。実際、下地勇さんもそれをねらっていて、宮古方言っていうのはのっける曲やパターンによってはラテン語に聞こえたり、フランス語に聞こえたりするおもしろさがあると。そこをぼくが一歩進めて、「早口言葉にしてラップにしたらどうなるかな?」ってね。
勇さんはまたすばらしい詩人でもあるんですよ。訳詩をみてもらうと分かると思うんですが、僕の「Prayer」という歌詞を読んで、それにインスパイアされて書いた歌詞を宮古方言に変えてもらったということなんですけど、見事に成功したなと思いましたね。

深みがさらに増したと思いますね。ラップという音楽の形態は黒人文化から生まれてきたものだから、日本語でやるというのは変な気がするんですね。でも、宮古方言でやってみたら「なんかこれは正しいんじゃないか!?」って勝手に思ってるんですよね(笑)。ルーツ的な部分が沖縄とアフリカに共通するものを感じていたんですね、だからきっと釈然としているんだと思うんですよ、ぼくは。




角松敏生さん「Prayer」にしなさいと

今回のアルバム制作はとにかく時間に追われたんですね。最初から「こうしてやろう」というふうに考えている時間がなかったんですよ。とにかく何かに導かれるようにやってきたら、結果「こういう形になりました」というのが正直なところなんです。

アルバムタイトルもいろいろ考えたんですけど、「Prayer(祈り)」ってのも悪くないしなあって思っていたらレコード会社の担当の人が「それでお願いします!」って(笑)。それで決まったんです。

■「Prayer」というタイトルには、自分の祈り、聴く人の祈り、いろんな祈りを包含しているというコメントをプレスリリースで読んだのですが。

まあ、そうも取れるだろうしどこか自分のなかでは「Prayer」にしようと思っていたのではなく、「Prayer」にしなさいって言われたような気がするという心象なんですよね。




角松敏生さん■今まで作ってこられたアルバムとは、そのあたりでも違うということなんですね。

そうですね。今までは、「どうしようか?」って考える余裕があったんですよ。今回は、最後までいってみないとわからない、という感じだったので。火事場のばか力というか、追い詰められて今できる自分の最高のものが出せたという感じですね。

■そういう制作過程だったとは......。

もうあせってあせって、毎日仕事していましたね。2月から6月10日まで(笑)。
そのなかに25周年ライブの準備もあり、レコーディングが済んだら次はマスタリング、リハーサル......。そんな感じでしたね。

■では横浜(25周年ライブ)が終わって、10日間ほど沖縄に行かれたのが唯一のお休みで。

ええ、そこでまたすこーんと抜いて。




角松敏生さん東京公演では......

■今回のツアー「Player's Prayer」とタイトルもカッコイイのですが、もしかしてドラムでスティーヴ・ガッドさんが登場するとか?

今回は江口(信夫)さんがドラムをやってくれます。スティーヴ・ガッドさんがたたいた楽曲というのはああいうふうにたたいてもらわないとその曲にならないんですよ。そこで、沼澤(尚)さん、神保(彰)さん、渡嘉敷(祐一)さんというガッドさん好きなドラマーのみなさんにオファーしてみたんですが、スケジュールが合わなかったんですね。
江口さんも江口スタイルを確立してくれる人だからどうかなとは思ったんですが、チャレンジャーですよね。快く引き受けてくださったんです。

ベースは(松原)秀樹と山内(薫)さんのダブルキャストがうまくはまって。あとトライポッド(小林信吾さん、友成好宏さん、森俊之さん)の3人と今(剛)さん、大儀見(元)さん、そして田中倫明さん。これは最近でも類を見ないくらい「歌伴」のラインアップとしては豪華な布陣になったな、と思っています。
そういう意味では非常にぜいたくなツアーになると思っています。
ただ、2006年12月に行う東京公演(中野サンプラザホール)にはガッドさんが参加してくれることが決まったんですよ。

■ええ!? それはすごいですね。

でしょ(笑)。レコーディングのときにツアーの話をしたら、ぜひ参加したいと言ってくれたんです。
スティーヴ・ガッドさんが歌伴のため来日する、というのもたぶん本邦初だと思うので、それだけでも大きなニュースだと思いますよ。




角松敏生さんこのツアーで何かが生まれるとうれしい

■それは楽しみですね。あとチアキさんは参加されるんですか?

今回はやはり「Smile」をやらないわけにはいかない、ということでチアキさんには参加してもらいます。でも、「Smile」と彼女のオリジナルだけというわけにはいかないので、アルバムの製作段階からチアキさんにかかわってもらう楽曲を増やし、デュエットを1曲、バックコーラスも数曲参加してもらったんです。
ただ、ひとりでバックコーラスは成立しないので、チアキさんのご主人の一成(かんなり)さん(「しゃかり」のメンバー)から沖縄のいい人を紹介してもらったんです。それが凡子(なみこ)さんです。
沖縄ではすごく有名な人で、R&Bからポップスまでこなすポップスシーンの人なんですね。それでめでたくコーラスチームも決まったんです。

■では、2006年はこれで締めて2007年に向かうわけですね。

そうですね。2007年はすっごくそぎ落とした感じでやろうと思っているんです。ギター3本とかね。ただ、すごく残念なのは青木(智仁)さんがいなくなってしまったこと......。
(Yahoo!オークション注:ベーシストの青木智仁さんは、2006年6月12日急性心不全のため49歳で他界されました。ご冥福をお祈りいたします)
インストゥルメンタルを作ろうと思っていたんです、実は。僕のなかでインストゥルメンタルを作るときのベーシストといえば青木さんしかいないので、その企画は封印なんですけどね。
でも、今回のツアーでいっしょに演奏するメンバーとの結びつきで、また新たな何かが生まれるとすごくうれしいな、と思っています。




---スティーヴ・ガッドさんの参加でますます期待がふくらむコンサートツアー! 音に贅(ぜい)を尽くす角松さんだけに、すばらしい音楽体験になることでしょう。
●撮影・文:Yahoo!オークション
●協力:株式会社ビーンズ ●写真提供・協力:BMG JAPAN



「角松敏生 / Prayer」ジャケット角松敏生 / Prayer

好評発売中

【収録曲】
01.UGAM
02.Movin'
03.You made it
04.恋の落とし穴
05.Still know nothing at all
06.かなし花
07.日照雨
08.アイシテル
09.Mannequin
10.黙想
11.Prayer
12.Smile(album version)
special track of remembrance
13.初恋(2003.11.15 YOKOHAMA ARENA)

>>アルバム試聴はこちら(外部リンク)




角松敏生ツアー情報

TOSHIKI KADOMATSU Performance 2006 "Player's Prayer"

9月30日、大宮ソニックシティを皮切りに始まった史上最大のツアー! 2006年、秋...... とてつもないコンサートツアーを体感しよう!

角松敏生さんオフィシャルサイトヘ
BMG JAPANオフィシャルサイトヘ




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