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東京ローカル・ホンクインタビュー Vol.4

アルバムがリリースされた東京ローカル・ホンク、インタビューの最終回です!
メンバーは木下弦二さん(vo、g)、井上文貴さん(g、cho)、新井健太さん(b、cho)、田中邦雄さん(dr、cho)



左より:新井健太さん(b、cho)、田中邦雄さん(ds、cho)、井上文貴さん(g、cho)、木下弦二さん(vo、g)
木下弦二さん 左より:新井健太さん、田中邦雄さん、井上文貴さん、木下弦二さん

それでバンドが壊れるものなら、受け入れるしかない

■5月にニューアルバムが出ましたね。反響がよくって、今までのスタンスと違う仕事の仕方をしなくちゃいけなくなったとしたら、どうなんでしょう?

木下弦二さん(以下「ゲンジ」):もうそれは望むところですよねー(笑)。たとえば、ぼくらは週に3回スタジオに入るんですね。それが、プロだと一日中音楽をやっているわけじゃないですか。次の日も、また次の日も、ってね。ちょっと休みがあって、またやって。ぼくらはそういう意味でいうと「アマチュア」の域なんですね。ただ、時間の長さだけが、重要じゃないとは思うけど。ぼく個人は、毎日でもスタジオ入りたいんです。やりたいこともあるしね。でも、2週間に一度しか休みがないとしたら、それはそれで見えてくるもの、というのがあると思うんですよ。それでバンドが壊れるものなら、それはそれで受け入れるしかないと思いますね。

新井健太さん(以下「アラケン」):基本的に、音楽のことだけ考えて生きていけるなら最高だよね。そうやっていけたらいいな、と思っていますよ。

田中邦雄さん(以下「クニオ」):結局、「生きていく」というベーシックな部分で、すでに負担があるからね、この年になると。だからもし忙しくなったら、いろんな人がかかわってくるようになって、キレそうなほどになるのかもしれないけど。でもそれはそれで、バンドとしての基本ができていれば大丈夫だと思うし……。そうなってほしいくらいですけどね(笑)。

ゲンジ:そういうなり方、したいよね。

アラケン:そういう点では、もうおっさんだから若い子のように「振り回される」ということはないと思うけどね。

ゲンジ:わかんないよー、「キャー」なんてね。

(一同爆笑)

アラケン:わかんないけど、いろんな人が絡んでくるから、4人だけで会話ができる時間をもてればね(笑)。それさえあれば平気だと思うんですよ。




新井健太さん ゲンジ:うちのスタッフとかエンジニアとかは、プロフェッショナルな人たちが、ボランティアで付き合ってくれることが多いんですよ。プロフェッショナルな人たちと仕事するときの良さっていうのがわかるから、そういう人たちに、ちゃんと報酬を払って仕事できたらこんな幸せなことはないな、という思いが身近な望みとしてありますね。
webも彼女(今村さん)が全部やってくれていて。でも無報酬なんですね。ほかのスタッフも、みんなプロ。そういう人たちにちゃんと報酬を払いたい、という思いが、まずあります。

クニオ:ぼくらの場合、手伝ってくれるスタッフのほうが有名だったりします。うずまき時代に(忌野)清志郎さんのイベントに出たとき、スタッフのほうが「あ、○○さん、どうもどうも」ってぼくらより全然有名だったのね。

(一同爆笑)

■好きだから続けられるということもあるでしょうけど、食べていくためには、という点は、切り離せないですしね。

アラケン:続けていくためにも、食べていかなきゃいけない。


ゲンジ:そうなんだよね。今のところ音楽、バンドは趣味なんだけどな(笑)。

クニオ:道楽だよ。

ゲンジ:道楽だよな(笑)。これを続けるためには、っていう命題があるよな。

クニオ:そのはるか昔に二者択一があったんです。そこでうちらが選んだのは、「ここ」へたどりつくためには、遠回りしてでも困難なことにはフタをしないでいこう、って、そういうふうにやり始めちゃったんで。結果、プロにはなれていないんだけど。誤解を恐れずに言うと、プロでもぼくらが聴いて感心しないものもあるしね。「ああなりたくはないよな」っていうような選択をしてきたし。

アラケン:長くやってくると決断を迫られる岐路に立つことが、いくつもあるでしょ。勇気はいるよね。でも、直感というかそのときの感覚でいくしかないもんね。

ゲンジ:そうだね。

■じゃあアルバムがヒットして、そのときが来たら、もう一度ただでお話を聞かせていただきましょうか(笑)。

(一同爆笑)

ゲンジ:とにかく聴いてもらわなくちゃね。ひとりでも多くの人にね。




田中邦雄さん 多くの人に入りやすくすることも大事

■東京ローカル・ホンクは基本的にライブバンドですか?

ゲンジ:そうですね。

■ライブと作りこんだCDとでは、違いがありますよね。そのへんはいかがでしょう。

ゲンジ:ぼくは聴く側の人にしてみれば、おんなじだと思うんです。出合いがどっちか、というだけでね。「これさっき作った曲です」「お、いいねえ」というのもあれば、「これ10年あたためてきた曲なんです」「うーん、つまんないね」ということもあるわけだし。同じだなと思うんですね。単純によけりゃいい、ということだと思うんですね。

クニオ:そうだね。作りこむのもライブ録(ど)りも、結果おもしろければそれでいいと思うんですね。

アラケン:ぼくはライブとCDは違うと思うのね。両方あっていいと思うんだ。瞬間生まれるものもあり、きっちり作りこんで練り上げていくものもあり。両方できていいんじゃないかなって思う。

ゲンジ:そうだね。パッケージする瞬間にもう「フィクション」だからね。リアリティーとか記録として意味があるものと、なんらか処理がしてあってそれで意味が生まれるものもあるからね。「バンドのリアリティーを映し出すのも大事だけど、もっと間口を広げて多くの人に入りやすくすることも大事じゃない?」ということを、このアルバムを制作する際、久保田(麻琴)さんに言われ、「それは核心だな」と思いましたし。




アルバム「東京ローカル・ホンク」ジャケット アラケン:ぼくらのこのアルバムに関して言えば、ミックスによってそのリアリティーが失われたような感じは受けなかったね。根本はぼくらそのままじゃん、やってよかったんじゃないかって思うね。

クニオ:ディテールにこだわるっていうけど、それって実はその部分だけのことじゃなくって全体の話になるんだと思うんだよね。そこが気に入らない、ってことは全部を否定することになるわけでね。

ゲンジ:ひとつひとつにすごく気を使って演奏したので、それが聴いてる側にきちんと伝わればいいなって、基本的にはそこですよね。これはバンドの真実をうまくとらえた作品なので、ひとりでも多くの人に聴いてほしいって思いますね。これを聴いて、ライブを見てガッカリってことはありませんよ。ライブを見たらもっとよくなる(笑)。「聴いてください! お願いします」って言える作品ができてうれしいです。




井上文貴さん 「こんな感じ、いいよね」を聴き手と共有したい

■最後にバンドをやっていく上で、何を伝えていきたいと思いますか?

ゲンジ:じゃ、そっちからどうぞ(といって井上文貴さんを指名)。

井上文貴さん(以下「ブンちゃん」):もう聞いた瞬間、「これは難しい質問だぞ」と……(笑)。

アラケン:いちばんわかりやすく言うと、ぼくはゲンジくんが作った楽曲を聴いたときに感じた「空気」とか「こんな感じ、いいよね」っていう感覚を、自分も色付けをしながら多くの人と共有できたらいいな、って思うんです。そういうことかな。

ブンちゃん:うん、見てほしいね。ひとりでも多くの人にステージを。ひょっとしたら後ろ向きでコソコソ弾いているかもしれないけど(笑)。この「バンド」を見てもらいたいですね。

クニオ:ぼくは、「自分たちが楽しくやれることが、お客さんにも楽しいこと」と思っているので。あたりまえなんですが。ぼくらを見て、「こんなのでもやっていけるのか、いいなあ」とか(笑)。いろんなことを思ってもらえればね。あとは貧乏でも暮らしていければ(笑)。それが大変なんですが。

ゲンジ:そうねー、ぼくは音楽をやっているときは言葉で伝えたいことはないですよね。あえて言うなら、みんなで料理を作って、食べてみて、「うまいよこれ! 食ってみろよ」「おお、うまいねー」「だろー!」みたいなことを聴き手と共有したいんですよ。アラケンが言った、「こんな感じ、いいよね」っていうのと同じだと思うんです。その喜びがあるんです。振り返って、普段どう生活しているか。それはもう「生きにくいなあ」ってこと、最近多いじゃないですか。ぼくは子どもができてからニュースが見られなくなったんです。あまりにつらくて。立ち直れないようなニュースがあまりに多くて。それに対して自分がどう行動すればいいのかわからないし。だから日常生活でいろいろ考えることはありますよ、もちろん。音楽をやっているときは、具体的にそういうことは考えていなくて、聴く人すべてに、「いいよなー」って感じてもらえればいいと思っています。


---長く続けることの難しさと、その大切さを教えてくれた東京ローカル・ホンクのみなさん。本当にありがとうございました。いつの日か「凱旋インタビュー」させてもらいますからね!
●撮影・文/Yahoo!オークション



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