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平沼有梨さんインタビュー Vol.5

平沼有梨さん [new]キーボード奏者・平沼有梨さんへのインタビュー第5弾。最終回となりました! ストリートライブに野望を燃やす平沼さん。しめくくりは、やっぱり普通じゃない趣味でした(笑)。どうぞお楽しみください!



平沼有梨さん ストリートライブやってみたい

■ピアノという楽器の特性もあるので、ストリートライブをポンとやるというわけにもいかないですよね。

ちょっと考えてるんですけどね、実は(笑)。

■あ、そうなんですか?

まだ事務所の人には言っていないんですけど(笑)。どこかでやれないかなって、友だちと相談してて。

■僕はやれたらやった方がいいと思います。

ええ。やりたいですよー、ストリート。CDショップの棚にCDが置いてあっても、最初に手に取ってくれる人は本当にまれだと思っているので。ライブに来なくてもファンになってくれた人って「たまたまFMでかかっていたのを聴いて、アルバムを買いました」とか。そういう人はいますけど。そうでなければ、一般の人たちが興味持ってくれるのって実はインストアライブとか。たとえば銀座のインストアとかで弾いてると、街行く人は「何やってるんだろう?」って、のぞき見るじゃないですか。実はああいうのが一番人が集まるんですよ。もうね、信じられないくらいの人数が来るんですね。ストリートってつまらなかったら帰ってしまうし、そうでなかったら残って見てくれるし。




平沼有梨さん 一番シンプルなコミュニケーション

■その場でCDも売れちゃいますからね。

あ、売ってるんですか?

■売りますよ、みんな。

あ、そうなんだ。

■ストリートは地道だけど、やっぱりファンが確実に増えていくんですね。爆発的にガーッと増えていくわけじゃないですけどね。むしろ僕はその方がいい面もあると思うんです。

うんうん。

■長く続くし、いいものをやっていればいつか絶対わかってもらえる。でっかいコンサートホールでしかでやらないと、高い入場料に「ちょっとね」って思ったり。

うん。

■なので、街角で聞こえてくるもので「ああ、なんかきれいな音楽だな。ピアノ弾いてるぞ」みたいな。

それって私のことですか(笑)。

■そうそう。

うわー(笑)。

■「なんかいいかも」って。CDも即売している、じゃあ買っていこうかなと。買ってくれた人にはサインしてあげて握手するとか。

握手とかね(笑)。

■ストリートでやるのは大変だと思うんですけど、反応を見るには一番いいですよね。

ああ。すごい興味がありますね。コミュニケーションとしても一番シンプルですよね。




身軽に持ち歩ける楽器がうらやましい

だから身軽な楽器の人っていいなって、ずっと思ってた。ハーモニカとかね、ギターとかね。ハーモニカってすごいステキだと思いません?

■いいですよね。

その場でね、サッてやれちゃうし。今回アルバムに参加してもらったケルトの笛の方と一緒に飲む機会があったんですね。ウワーッて盛り上がったときに「じゃあ、1曲いきまーす」って言ってすごい曲演奏して。まわりの酔っ払いのお客さんとか集まってきて「すごい、すごーい」とか言って。「いいなー」って思ったんです。

■ええ。

そしたら一緒にいたケルトの打楽器やハープとかいろいろやる女の子が「じゃあ、私も何かやりまーす」って、そこにあるスプーンとかでやりだして! もう、すっごい盛り上がったんです。鍵盤ないからやれないし。私、歌ヘタだし……。「見てまーす」って(笑)。

■ピアニカを持ち歩くとか(笑)。

ピアニカね(笑)! でもあれね、難しいんですよ。あの鍵盤の数のなかでやるっていうのは。呼吸も難しいし。

■呼吸も難しい?

と、思いますよ。

■じゃあ、アコーディオンとか?

私、ライブでアコーディオンをやってブーイングされたことがあるんですよ(笑)。アコーディオンは、もう重くて大変だった(笑)! 左腕の動きと、フレージングをよく考えてやらないと、もうホント、目も当てられないような音になるから。「そういえば小学校でやってたわ」くらいのノリだと、全然ダメなんです。

■重いですしね。

すっごい重いですよ。持ったことありますよね?

■あります。

小さいやつを使ったんだけど、それでも体調が悪いとそのまま倒れそうなくらい重い(笑)。

(一同笑)

■じゃあ、ご自身のやってる音楽を少しでも多くの人に聴いてもらうためには、ストリートに出るのも辞さないと。

っていうか、その手段がいいとか悪いとかじゃなくて、それに興味があるって感じですね。

■事務所がOKしますか?

あ、大丈夫。「好きなことやって〜」ってたぶん言うと思う(笑)。

(一同笑)

■実現の可能性が、出てきましたね。

ええ(笑)。




平沼有梨さん 微妙なずれが生むもの

■このアルバムは、限りなく小編成なものがあったり、さっきおっしゃっていたケルトの方が演奏されていたりするとか。

そうですね。ケルティック・フルートと、アイリッシュ・パイプだったかな。高い音が出るやつと、ちょっと大きいケルトのフルートを吹いてくださって。わりとそういう「息」だとか、人間の原始的な行為である「たたく」と「吹く」という行為の楽器には、もう羨望(せんぼう)に近いものがあるんですよ。もう「キィー!」みたいな。うらやましすぎ! 

■それ、南部(昌江)さんも言ってました。

あ、そうですか?

■「自分のソロアルバムだから、必ず自分が主旋律を弾きたいと思いますか?」って聞いたら、「思わない」って。「何でですか?」って聞いたら、さっきおっしゃったとおりですよ。「人間の声に近いもの、息があるもの、呼吸があるものの方が、主旋律を演奏するにはしっくりくる」って。

うん、生きるんですよね。わかります。すごくわかる。
「打ち込み」で音楽を作ることあるじゃないですか。絶対、クオンタイズ(音の出るタイミングをずらし補正すること)とか、かけたくないんですよ。
わたしはちょっとならヨレていてもいいと思うんですね。ここちょっとずれてるから、たとえば3拍子ね。よくエンジニアさんが「これってそろえた方が良くないですか?」って聞くんですけど、「いいんです。ちょっとずれてても」って言いますね。

■ええ。

上手な人は限りなく、ちゃっちゃってハマるけれども、ちょっとぐらいずれてたっていいと思うんですよ。自分が一人で弾くときは、故意にずらして弾いたりすることもあるから。
どうしてオーケストラの音がたくさんに聞こえるかっていうと、みんなピッチそろえているんですけど微妙にずれているんですね。タイミングも必ずしも全員ジャストじゃないからなんですね。

■へえー。

指揮者に合わせているつもりでも、みんな微妙にずれているんですよ。だからこそ「合わせてやるぞ」っていう感じがすごくいいんですよね。それは自分でも生かしたいですね。

■つまり、人がやっていることだから。人の手によってできているものだからということですよね。

ええ。温度を感じるじゃないですか。そこにすごくね。




平沼有梨さん 映画のサントラを

■では「夢」ということでいうと映画音楽を書いてみたいと……。

いつか書いてみたいですね、機会があれば。

■わかりました。これからライブ活動なんかも忙しくなってくるわけですね。

がんばります。

■基本的なお話ですけど、アルバムデビューされてから、どれぐらいですか?

オリジナルは2002年に1枚出しています。それが初めて。あとはオルガンでクラシックのシリーズをずっと出してます。2000年から始めて、もう5枚です。

■では、もうアルバムの数は7枚、ぐらいですね。

そうですね。


オリジナルは2枚ですが、自分で「ああ、大変!」っていう思いでやったのは2枚目ですね。自分の曲だから簡単にできそうなんですけどね。でも大変ですよ。やっている間じゅう「もうダメ、もうダメ」ってずっと思ってました。

■サウンドトラック2作目を手がけたっていうアーティストの方にうかがったのですが、人様のモノに色を付けていく作業っていうのはものすごく大変だったって。でも「この音が入ったおかげで、このシーン、すごく良くなったよ」って言われるのがなによりうれしいっておっしゃっていましたよ。

ああ、わかるわかる、死ぬほどわかる(笑)。それはドラマの音楽をやったときにもそうでしたね、やっぱり。同じようなことを監督さんから言われたんです。「ここ、音なかったら終わってたよね」とか言われると「ああ、やって良かったな」って。すごくこっそりうれしいみたいな。ありますね、それは。




解剖図鑑が好き

■今、ミュージシャンとして活動されていますが、自分にとって天職だと思われますか?

思います。どうしてかというと、これしかできないから(笑)。

■でもオフィシャルサイトに書いてありましたよね。「もしミュージシャンになってなければ何になったか」って。

3日間だけでしょう? 「OL3日間」とか。OLは1回やってみたいんですよね。

■あと、法医学?

あ、そうそう。あたし解剖図とかすごい好きなんですよ。

■あははは。

解剖図鑑は、音楽の本より多くもっていると思います。死体博物館とか見に行ったし、中国で。生ですよ、生。

■じゃ東京国際フォーラムとかでやってた、あの…。

あれはプラスティネーション(Yahoo!オークション注:プラスチック化されたもののこと)だからダメ。全然ダメ。ああいうのじゃなくて、全部本物なんです。

■へえー。

さすが中国。「なんてことするの!?」と思いながら、行ってる自分もどうかと、あはは。

(一同笑)

連れて行かれたときに言われたもん。「本当にいいの? 本当に大丈夫? 僕は入れないからね。待っててあげるけど、入れないからね」って。「大丈夫です」ってスタスタなかに入っていった(笑)。

(一同爆笑)

---こんな調子で平沼さんとのインタビューは終了。美しいその容姿からはちょっと想像できないキャラクターが飛び出して、仕事ということを忘れそうになる瞬間がたくさんありました。ありがとうございました!




「平沼有梨 / まだ見ぬ映画のための音楽」ジャケット画像 【まだ見ぬ映画のための音楽】
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【収録曲】
01.Encircle〜悠久の華〜
(2005愛知万博パビリオン「ウォーター・ラボ」挿入曲)
02.Recollection
03.Little Wings
04.月をスプーンですくったら
05.赤とんぼ
06.魔法の雨
07.大事なのはつよく想うこと
(Vocal&Lyric by KOKIA)
08.Spiritual Life
09.そら
10.Keep it Real




●撮影・文:Yahoo!オークション ●協力:アトス・インターナショナル



平沼有梨さんオフィシャルサイト(外部リンク)

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