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平沼有梨さんインタビュー Vol.4

平沼有梨さん キーボード奏者・平沼有梨さんへのインタビュー第4弾。アルバムのジャケットワークのこと、ダウンロード配信のことなど。どうぞお楽しみください。



平沼有梨さん わたしの好きなものが詰まったジャケット

今回のアルバム「まだ見ぬ映画のための音楽」のジャケットは、デザイナーさんとわたしの感覚がすごくリンクしているところがあったし、もうすっごく意気投合して。周りのスタッフに「あの2人は危険だ」とか言われたくらい(笑)。
ほっとくとあらぬ方向に行っちゃったり、ものすごくマニアックなものになる恐れもあるからって、スタッフが適度にセーブしてくれてたり。あと、時間の概念が飛んじゃうので。デザイナーさんも自分も……(笑)。
それもまわりのスタッフが「危険だ、危険だ」と言って仕切ってくれたんですけど。そのデザイナーさんと、今日こうして話しているみたいに、好きなものとか、テイストの部分だとか、多岐に渡ってそういう話をしたんです。
その人はノートに言葉だけじゃなくて「あーそうそうそう」とか言いながら絵をいっぱい描いてたり。わたしの好きなものがあのジャケットには詰まっている。だからちょっと不思議なジャケットになっていると思うんですけど。




以前は生花は怖かった

■そうですね。不思議な感じがしますね。好きなものが描かれているんですね。

好きなものがほぼ入ってますね。今、家に大きなモンステラ(観葉植物)があって、とにかくモンステラがすごく好きなんですね。ジャケットにももちろん入っているし。以前お花は家に生けるのが怖かったんです。お花ってなんか、生き物みたいじゃないですか。出張とかライブで地方に行って帰ってきたら、枯れてボトッて首とか落ちてたりするの、すごい怖いじゃないですか。
生気のない、臭気とか放っていそうで怖かったから、お花飾らなかったんだけど。ああいうものを飾ることによって、なんか「気」が動いている感じがするなって、最近は思うんですね。

■ええ。

で、「好きなお花ありますか?」って聞かれて「唯一好きな花はカラーです」って言ったら、ちゃんとジャケットにカラーが。記憶にありますか?

■見ました。

うん。こっちの方にカラーがあったりとか。

■なるほど。じゃあ、あのジャケットに関していえば、そういう自分自身のイメージとものすごくリンクしていると。

リンクしています。

■それがうまく表現されていると。

そうですね。




平沼有梨さん 映像に音をつけるあこがれ

■月並みな質問なんですけど、今回のアルバムでは、どういったことを基本的に表現したかったのですか?

うーん。どういったこと……。
そうですね。えっとタイトルにあるように、もともと曲を書くときはビジュアルが一緒になってるんです。絵とか色とかにおいとか、感触みたいなものが音と必ず一緒になっているんですね。もう一点は映画音楽を書きたいって夢があるんです。それはもう死ぬまでに1回できればうれしいってのがあって、それが今回のアルバムのタイトルになったんですけど。
「ヒーリング」系のアルバムって、聴くとわりと起伏が少ないですよね。

■少ないですね。

わたしの場合は、曲を並べたときにそんなに起伏はないつもりなんだけど、スケールがパーッとでかかったり、FMのサイン波だけでやっているようなものとか、すごい極端なんですね。
しかも曲を書いているときには必ず自分のなかに映像みたいなのが付いているので。「タイトルをこれにしたら、違和感なく並べられるんじゃないか」って。すべて映像もリンクしているんだよっていうこともあって……。




編成は小さめで、小品が多いです

■つまり自分のなかの映像に対するサウンドトラック、みたいな感じで。

そうですね、うん。後は、今までわりと大曲っていうか8分、9分近い曲もあったりしたんですね。だから曲もドラマチックになっちゃう。最初はポツッて出てくる映画のように最初はこうあって最後はこう終わる、みたいな感じの展開。曲を最初に聴いたらこんなふうに終わるとは思いませんでした、みたいな曲になっちゃっているのが多かったんですけど。もっと身近なものでいいんじゃないかなって。音楽ってそんなたいそうに構えなくても、って。「あーなんか今日すごく気持ちいいな」って思った気分を書くとか、そういうことでいいんじゃないかなと思ったので。今回は編成はわりと小さめにしているんですね。だからピアノでずっと弾いたり。ギターとバイオリンと太鼓だけっていうそういうプライベートな感じっていうか。そういうのは意識しましたね。




平沼有梨さん 日常生活のサウンドトラック

■おもしろいですよね。なんか映画の話もそうなんですけど。ぼくなんかあえて好んで「ヒーリング」のCDを買うかっていったら、買わなくって。

うん。

■やっぱりインストの音楽をやってらっしゃる方は、「BGM」を作りたくて作ってるわけじゃないだろう? って思うんですね、。

うん。

■今のお話ですごく良かったのは……、朝起きて気分が良かった、っていうことをちっちゃな編成でやっていくていうのはなんか日常生活のサウンドだって。

そうそう、ホントそういう感じ。

■朝起きて「あ、いい気分だ」ってときにかかっていると、すごく一日が快適になって。だけど一日中いい気分なわけじゃないから、ちょっと午後のどろんとしたときに(笑)、イヤなことを思い出してイヤな気分になってしまって、そんなときにちょうど合うような音楽がかかってたりとか。そういう意味でいうと、日常生活のBGMじゃなくって、日常生活を後押ししてくれるような、リズミカルにしてくれるようなサウンドトラックになりたいと。

うん。

■だとすると、そういうのはすごく好きですね。

ただ、並んでいるだけではわからないですよね。

■CDショップさんに何とかしてほしい(笑)。




ダウンロードでもかまいません。聴いてもらえることがうれしいから

うふふふふ。試聴しまくりますけどね。CDショップへ行くと。

■ほう。

試聴しまくって。レジに行くときには「ああ、このお客さんいい人なんだって」思われるかな、死ぬほど買うから。
1回行くと、まぁネットでもよく買うんですけど、10枚から20枚は必ず買うので。だからたぶんいい客だと思うんです。そのかわりすごい試聴するけど。しかもフロアまたいでね。

■買いたいCDをカゴに入れるんですよね?

そうそう。でもお会計はその階ごとだから。今のは渋谷のTレコの話ですけど。

■今はもう、ダウンロードが盛んになっていますよね。

はい。

■作ってらっしゃる側としては、ダウンロードで気軽にパソコンに取り込んで聴いていただける機会が増えたと喜ぶのか、CDが売れなくなっちゃうじゃないかと怒るのか……。もう両極に分かれちゃうと思うんですけど、どちら側ですか?

わたしは、たとえば坂本龍一さんや榊原大さんみたいにみんなに知られているアーティストではないので、わたし自身としてはダウンロードして聴いていただけるだけでもうれしいし。とりあえず「あ、この曲聴いてみよう」と思ってくれたことがうれしいので。だから、さっきおっしゃっていたように「BGM」のつもりではもちろん作っていないけれども、お客様が「BGM」にしようと思って自分の曲を選んでくれてもうれしいんですよ。まずは、手にとって聴いてみないとわからないから。数年後、もしお会いしたら言ってることは変わっているかもしれないけど(笑)。

(一同笑)

自分では、全然ダウンロードOKだし、それでCDが売れる売れないはその、営業サイドの話で。わたしがあんまり感じないから、ものすごく売れてもリアルタイムで何かが変わるわけではないないので。それよりも「この曲いいよね」って、たとえばファンの方からメールが来たり、その方が自分としては、リアルタイムでうれしい。まあ素人意見かもしれませんけど(笑)。

■いえいえ。

聴いてもらえるだけですごくうれしいですね。

---ダウンロードでも聴いてくれる人が増えるのはうれしい。率直な意見だと思います。ただ圧縮音源より、CD音源の方が間違いなくいい音ですよ。




「平沼有梨 / まだ見ぬ映画のための音楽」ジャケット画像 【まだ見ぬ映画のための音楽】
アトス・インターナショナル/ドリー・ミュージックより好評発売中!

【収録曲】
01.Encircle〜悠久の華〜
(2005愛知万博パビリオン「ウォーター・ラボ」挿入曲)
02.Recollection
03.Little Wings
04.月をスプーンですくったら
05.赤とんぼ
06.魔法の雨
07.大事なのはつよく想うこと
(Vocal&Lyric by KOKIA)
08.Spiritual Life
09.そら
10.Keep it Real




●撮影・文:Yahoo!オークション ●協力:アトス・インターナショナル



平沼有梨さんオフィシャルサイト(外部リンク)

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