ギターラボ トップ > CASIOPEA > CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース、野呂一生さんインタビュー

CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース、野呂一生さんインタビュー

野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース! 野呂一生さんインタビュー![new]
7月27日発売のCASIOPEA 3rd、3作目にあたるアルバム『I・BU・KI』。リリースに先立ち野呂さんにお話をうかがってきました。新しい「相棒」についてもお聞きしました。



野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース!


3rdの3rd(笑)

■3枚目のアルバム「I・BU・KI」聴かせていただきました。

はい。(CASIOPEA)3rdの3rdですね。

■3rdの3rd(笑)。3rdになってから早くも3枚目ですね。その間アルバムや映像作品もリリースされ、ライブもたくさん。

もう目まぐるしいほどの数をやってきましたね。3rdが立ち上がってから4年になりますしね。1枚目のアルバムではちょっと手探り状態だったんですが、2枚目から新しいスタイルがだんだんと出来上がってきて、この3枚目でその集大成的なものができたと思います。気負わずにできたかなと思っています。

■アルバムタイトルを「I・BU・KI」になさったのはどういう思いからでしょうか?

ここのところまたいろいろな災害などが起こって、命の大切さみたいなものが少しでも表現できればと思ったんです。「息吹(いぶき)」というと生命がほとばしるような響きもありますが、聴いた方がそういう生命の躍動感みたいなものを感じていただけたらと思い名付けました。

■そうなんですね。1曲目から3曲目までの痛快なまでの疾走感は圧倒的でした。

ありがとうございます(笑)。

■野呂さんが音楽と向き合う姿勢のなかに、東北の震災のときにも「TO-MO」という曲をYouTubeにアップされていましたが、世の中との関わりをすごく大切にされていらっしゃるなと感じます。

はい、そうですね。もともとこのCASIOPEA 3rdを立ち上げたきっかけもそこにありまして、とにかく聴いて元気になってもらいたいという思いがありましたから、そういう思惑通りにやってこられているかなという気はしています。また、アルバムには1枚を通じて物語的な要素があると思いますので、1曲だけというのではなくアルバム通して聞いていただけたらと思っています。


野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース!


今までのものを継承しつつ、今までと違うものを

■そうですね。では、アルバムの順を追ってうかがっていきたいと思います。まず一曲目、野呂さんによる「ME・ZA・ME」ですが、これは文字通り......。

「目覚めた!」って感じ、今日も目覚めたって感じですよね。新しい今日が始まるという意味を込めて作りました。レコーディングしたときに「これはやっぱり一曲目だな」という感じはあったんですよね。今までのものを継承しつつも今までのものとは違うもの、という意識が強く出た作品だと思います。最初からテーマとして「目の覚めるような音」というものを作りたかったのでそういうところでのミックスのバランスなども考えて作りました。音色的にも今までの作品のなかでもっとも激しいものになったかなと気はします。

また、以前にもお話ししましたが、オルガンという楽器は持続楽器ですから音が減衰しないんですね。だから思い切りがよくないと使いこなせない楽器だと思うんです。どこで休符を取るかっていうのはオルガンの役割だと思うので、そういうことも含めてアレンジも考えつつレコーディングしました。

■なるほど。2曲目も野呂さん作「MOVE BY MOVE」。

これは「動いて動いて」「動くX2」みたいな感じですね(笑)。これは目覚めたあとの疾走感が出ればいいなと思って書きました。今までの自分のなかのダンサブルな曲の新たなものという意識で書いてみました。とにかく元気に動いて動いてという感じですね。

■今回は新しさを追求されたんですね。で、3曲目。これは大高さんの作品なんですね。曲の途中に鳴瀬さん、神保さんのソロの掛け合いがあります。

うん。これは清美ちゃんの曲でタイトルの「J.K.G.」というのは「JUST KEEP GOING」の省略形らしいんですが、ま、そのとり方は人によって好きに解釈されたらいいのではないかと思います。若い曲ですよね。「疾走感」というのがいちばん強く出そうな曲だったのでメンバー全員がそれを目指してやったって感じがありますね。アレンジも彼女がほとんど決めていまして、音域やソロはそれに合わせてメンバーが自分たちで決めるという感じですね。

■4曲目は野呂さん作の「LIFE LINE」。

これは16ビートの昔のファンクっぽいリズムですね。「LIFE LINE」というタイトルは災害時のそれという意味もあるし、「人生のライン」という意味も込めました。

■5曲目は鳴瀬(喜博)さんの「Funk U Very Much☆」。タイトルでクスッとさせてくれますが、鳴瀬さんのファンキーなベースを追いかけるように入ってくる野呂さんのファンキーなカッティングがカッコいいですね。

ファンキーな入り方をするんですが、サビのメロディーになると一種独特な不思議な世界観が展開します。鳴瀬さんの曲ってシュールなものが多いんですよ。「はあーー」っていうね(笑)。これも録音しながらソロのパートを入れ替えたりしたので、録音しながらこの最終形になったんです。

■6曲目は野呂さん作の「PREMEDITATION」。

「プリメディテーション」。これは「予感」という意味なんですが、いわゆる危ないほうの「予感」ではなく「よくなりそうな予感」という意味の言葉なんだそうです。「予感」という言葉で調べるといろいろ出てくるんですが、これはそういう意味なんですって。自分のなかではAメロなんかはシュールな感じで作ったんですが、全体を通して聴くとストレートに乗れるナンバーになったと思います。これね、レコーディングが大変なんじゃないかと思ったらやっぱり大変でしたね。

■7曲目が野呂さん作の美しいバラード「LIKE A FLOWER」。

これはフレットレスギターを使ったバラードで、昔のA.O.R.みたいな感じでバラードなんだけど踊れる、みたいな方向を目指しました。今回特にバラードの2曲は時間がかかりましたね。僕は8曲書いたんですね。最初6曲目までは早めに(メンバーの)みなさんに渡せたんですが、残りバラード2曲が「もう少し待ってください」ということで、けっこう時間がかかりましたね。自分のなかの何かもっと出せるだろうと思えるものを出したかったんです。

■なるほど。本当に美しい曲で野呂さんのバラードは大好きなんですが、新たな曲が出るたびにさらに感動的ですよね。

ありがとうございます。

■8曲目は野呂さん作「NATURAL AFFECTION」。

これは初めてオルガン用に書いた曲なんです。ですから音域的にもオルガンがいちばんよく鳴りそうなところを選んで作りました。オルガンの音域って高域のリミットが意外と低いんですね。それを考えて作らないと「弾けなくなっちゃいました」ということになるんです。最初はそれがわからなくて「あ、弾けないんだ」と(笑)。そういうことが何度かありました。

■音域を考えて作らなくてはいけなかったんですね。次、9曲目は「Flash!」。

これは神保(彰)くんの曲で、やっていてなんとなく第1期のカシオペアの雰囲気に近いと感じた曲ですね。全体的な感じなんですが、ギターもクリーンな音でしたしシンセ類もたくさんつかいました。

■神保さんらしいラテンなナンバーでサビのメロディーはラブリーですね。次、10曲目は野呂さんによるバラード「THE SPACE WE ARE」。

これはスローなテンポのロックバラードをやりやかったんです。最初書くときからシンセを使わず4人だけの音でやろうと作ったんです。オルガンのドローバーを駆使して曲に表現をつけてくださいとお願いしたんです。オルガンの場合、ドローバーとペダルでスピーカーの回転速度を変えられるので、譜面にはここで回転をあげてほしいという場所に「くるくるくる(と手を回して)」って書いたりしました(笑)。

■くるくるくるっとですか?

はい(笑)。

■このバラードもすばらしいですね。激しさを感じます。最後は「WHITE TICKET」。白紙のチケット、ですか?

これはね、ある日夢を見たんですよ。白いチケットをもらうって夢をね。これはタイトルに使っちゃおうと。

■白いチケットって聴く人がいろんな行き先を想像できますね。

ええ。まあ、言い方を変えるとただの紙なんですけどね(笑)。

(一同笑)

■(笑)チケットサイズの紙ですね。エンディングにふさわしい感じの一曲ですね。

バラードで終わっちゃうと「うーん」って感じになっちゃうんで、最後はやっぱりまた乗れるナンバーがいいかなということでこれに決定しました。

■野呂さんは曲を書くときのコンセプトやテーマを決める際すごくエモーショナルなものを大事にされる方ですが、一方では録音の仕方や音の鳴り方などとても理詰めで理系なお方のような気もしますが......。

そうですね。やっぱりレコーディングのシステムって数値で管理されるものなのでそういう知識はないとダメなんです。ただそれはレコーディングの装置をうまくつかいこなすための知識であって、それと音楽をやるってこととは別のものなんですね。そういったもの全部含めてひとつの作品、と考えていただけるとうれしいですね。

で、いつもはマスタリングという作業をするんですが、今回はできた音の曲順を作ってもらっただけでマスタリング自体はほとんどいじっていないんですよ。というのもね、Pro Toolsのプラグインが発達していいエフェクトがたくさん使えるようになったんですね。使ってみると「これはマスタリングまでできちゃうな」と。だから初めてマスタリングだけの操作はなしで作りました。昔はそこまでのプラグインってのはなかったんですが、時代とともに今だとそこまでできてしまうんです。


野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース!


新モデル、Issei Noro デラックス

■なるほど。今日は新しいギターをお持ちいただいているとお聞きしたのですが、ご披露いただけますか?

はい。本作のレコーディングでフレットレス以外は全部これを使ったんです。これは「(YAMAHA)IN-DX」といってIssei Noro デラックス。マツコ・デラックスみたいですが(笑)。今までの自分のオリジナルギターの集大成みたいなモデルで還暦用ですかね(笑)。

これは今までのよりつまみが1つ多いんです。今までは5つのつまみがついていました。その5つで作った音をあげたりさげたりできるようなトータルボリュームとして1つ多くつけていただいたんです。なのでセットアップして作った音をそのまま調節できるんです。

ピックアップは5つなんです。2-1-2という構成で。2つ同時に使ったり別々に使ったりをタッピングスイッチで切り替えます。真ん中はシングルですが、かなりいろんな音色を作れるようになっているんです。フロイトローズというトレモロアームがついています。前のモデルと同じ青色の塗装をしてっもらったんですが、木の素材で木目が出るようにしていただきそれで違う効果にしてもらいました。重さも前作より軽めにしてもらったんですが、パーツを加えることで重くなっていくので実際はそんなに変わっていないんです。あとはネックを太めに。昔のギブソンの握りに近い形にしてもらいました。前のモデルよりちょっと太めです。で、やはりネックの太さで音色も若干太くなるみたいなんです。

これは今までの集大成モデルです。IN-デラックス(笑)。

■本作のレコーディングで初めて使用されたということで、リスナーのみなさんはIN-DXモデルをこのアルバムで初めて耳にするわけですね。

はい。そういうことになりますね。

野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース!


CASIOPEA結成40周年と還暦

■ありがとうございます。ところで2016年ももう半分終わっちゃったのですが、いよいよ来年2017年はカシオペア結成40周年。そして野呂さんは生誕60周年で還暦をお迎えになるわけですね。何か特別なイベントはお考えなのでしょうか?

そうですねー。還暦の自分のイベントとしては1年かけて自叙伝を書いたものが今年の冬に発売になる予定なんです。それと譜面集。自分の曲を20曲ばかり集めたギターのスコア集です。それと同時に手書きの譜面も収録しているというものになります。その二つですかね、自分のことでは。40周年というのは今どうするかスタッフと思案中です。ISSEI NORO Inspilitsのほうも来年10周年なんですよね。

■もう10年ですか。早いですね。

早いです。(2017年は)いろんなものが重なっています(笑)。

■手書きの譜面にはさきほどおっしゃっていた「くるくるくるー」みたいなのも書き込まれているんでしょうか(笑)。

そうですね。あるかもしれません(笑)。

■楽しみですね! 今日はお忙しいところありがとうございました。

こちらこそ。

野呂一生さんインタビュー、CASIOPEA 3rd『I・BU・KI』リリース!


◆CASIOPEA 3rdの3rdアルバム、更なる飛躍と新たなる息吹を感じてほしい。全曲書き下ろしの新作で、あなたの五感を呼び覚まします...。

01. ME・ZA・ME(noro)
02. MOVE BY MOVE(noro)
03. J.K.G.(kiyomi)
04. LIFE LINE(noro)
05. Funk U Very Much☆(narucho)
06. PREMEDITATION(noro)
07. LIKE A FLOWER(noro)
08. NATURAL AFFECTION(noro)
09. Flash!(jimbo)
10. THE SPACE WE ARE(noro)
11. WHITE TICKET(noro)

特典映像DVD
◆3/19に行われた「LIVE CD Release Premium Live at Billboard Live TOKYO」の14曲の映像を完全収録。
◆アーティスト撮影時のメイキング映像、レコーディング風景など、特典の枠を越えたスペシャルな内容となっています。

『I・BU・KI〜SUMMER TOUR』夏のツアーが決定しました!!

2016年8月19日(金)@東京・赤坂 BLITZを皮切りに全国6か所で開催!

CASIOPEAオフィシャル情報
CASIOPEA web(外部リンク)
CASIOPEAオフィシャル Facebookページ(外部リンク)
CASIOPEAオフィシャル twitter(外部リンク)

来年のことを言うと鬼に笑われますが、来年のアニバーサリーイベントが今から楽しみ!!

写真、テキスト、協力:カシオペアインターナショナル、HATSアンリミテッド
写真、文、構成:ヤフオク!

登場アーティスト

キーワードで検索!

キーワード : カテゴリ指定 :    
検索オプション