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CASIOPEA 3rdインタビュー

ICE CASIOPEA 3rdインタビュー
新生カシオペア、CASIOPEA 3rdの野呂一生さん、大高清美さんにインタビューすることができました! 新加入、オルガニストの大高さん加入のいきさつ、ニューアルバムの話をたっぷりうかがいました。



出会いは"飲み"の席!?

CASIOPEA 3rdインタビュー


■11月20日にニューアルバム「TA・MA・TE・BOX」がリリースされます。これはCASIOPEAとしては8年ぶりと......。

野呂一生さん(以下「野」):はい。「CASIOPEA 3rd」として、初めてのアルバムになります。

■活動は昨年(2012年)秋からでしたね。

野:昨年の9月から(CASIOPEA 3rdとして)活動を再開しましたから、もう1年です。

大高清美さん(以下「大」):あっという間でしたね。ホントに早かったです。

野:最初のライブは"東京ジャズ2012"でした。

■そうでしたか。このアルバムのレコーディングはいつ行われたのでしょう?

野:今年の8月です。ライブツアーをやりながら、飛び飛びのスケジュールでレコーディングをやっていたんです。スケジュール的にはわりとタイトな感じでしたけど、ライブでリフレッシュしながらできたというのがよかったなと思っています。

■昨年、今年と数多くライブをされてからのレコーディングということで、大高さんが参加されて初のアルバムではありますが、バンドとしてのかたまり感みたいなものは出来上がっていた感じでしょうか?

野:そうですね。そのライブを収録した作品も何作か出していますし、その編集にもみんなで立ち会ったりしていてスタジオワークそのものということではもうずいぶん前からなので、新曲をレコーディングしたとしてもこれはスムーズにいくんじゃないかと、という感触はありました。

■そうでしたか。大高さんのことについてお伺いします。野呂さんとは「飲み」の場で知り合ったそうですね。

(一同笑)

大:(笑)はい。飲みの席上でセッションをしたんですよね。

野:(笑)ええ、セッション大忘年会みたいなものがありまして。

大:そうなんです。そこではみんなが酔っ払いながらそこにある楽器で「じゃ、次何やる?」みたいな感じだったんです。そのとき野呂さんと「はじめまして」的な感じだったんですよ。ごあいさつをさせていただいたときにはもう......。

野:すでに酔ってました(笑)。

大:酔っ払ってドラムをずっとたたいていたんですね。「ギター弾かないなぁ......」と思いながら(笑)。「じゃ、次誰か何かやる?」って言ったときに野呂さんがドラムで(うちの)旦那がベースを弾いて、ホントはギタリストなんですけど。私はそこにあるエレピで3曲くらい適当に何かを弾いたんですよ。それが初めての出会いでした。

野:そのとき私はドラムをたたきながら、「すごいなぁ、この人」って思っていたんですよ。

大:うーーん......、ありがとうございます。

(一同笑)

■なるほど、そうだったんですね。同じようなジャズ系の音楽をやられていても交わりのないことってあるんですね。

野:うん、そうですね。「似てるけど違うフィールド」だとそういうこともありますね。

大:そうですね。


オルガンがメインじゃないCASIOPEAに......

■その後、野呂さんから正式に(CASIOPEAに)参加しませんか? というお話があったのだと思うのですが、そのときは......。

大:それはもうビックリでしたけど、うれしかったです。「はい。やらせていただきます」と。そんなに迷う時間はなかったですね。むしろ「この話本当なの?」ってことを理解するのに時間がかかったというか(笑)。ただ心配だったことは、私は元々オルガニストですから、CASIOPEAのキーボードはメインとしてオルガンを使っていないサウンドでしたし、(それで)活動されていたバンドだったので「そこに私のオルガンって大丈夫なのかしら......」と、その不安のほうがありましたね。

■実際にライブのリハーサルで、飲みセッション以外で音を出したときに「よし、いけるぞ」という感じだったんですか?

大:飲み以外でね(笑)。よしいけるぞ......うーん。でも、実際はやっぱり必死でしたね、最初のリハのときは。
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野:最初は音の組み立て方とか少し時間をかけて考えようということで、鳴瀬さんと彼女と私の3人でクリックを流してああだこうだと言いながら(リハを)3回くらいやったんですよね。

大:そうです。6月、7月、8月とそれぞれ1回ずつ。最初の6月のときはもう、今までリハをすることに対して緊張するということはなかったんですけど、やっぱりそのときは「どこまでオルガンでいっていいのやら......」という迷いが正直ありましたから、それが多分リハの最中に出てしまっているなと。でも、そんななか野呂さんは「これオルガンでできる?」「それもオルガンでできる?」と。「音域足りないんですけど」と言ってもその処理法を教えてくれたりとか、どんどんオルガン寄りにしていってくれたので「うん。これなら自分が自然にやっていっても大丈夫かもしれない」と思わせていただいたというか。

■それまで培ってきた自分のスタイルというものがありますものね。先ほど同じようなジャンルでも違うフィールドってお話しがありましたが......。

野:うん。(大高さんは)かなりハードなことをやられていましたから。

(一同笑)

大:いえいえ、CASIOPEAもハードですよ(笑)。そういう意味では違いましたからね。

■実際にリハーサルに入る前、かなりCASIOPEAの過去の作品を聴き込んだりとかされたのですか?

大:資料をいただいたんですね、最初20数曲だったかしら? どーんっといただいて。ちゃんと聴きたい気持ちはあったんです。でも、ちゃんと聴いてしまうとそれに洗脳されてしまう気がしたので、大変申し訳ないのですが「ふつうに聴く」という状況でした。今回私に対してのオーダーというのは、いただいた楽曲をオルガンでどう表現しようということでもあったので。そこで私が「ここのシンセはこういう感じで」とかいうふうに洗脳されちゃうと、もしかしたら違う展開になってしまうかもしれないと思ったんですね。やっぱりお声掛けいただいた以上は喜んでいただけるようなアプローチがしたいと常に思うのでなるべく影響されないように、という気持ちはありましたね。

■では、ご自分のスタイルをあえて変えることなく入ることができたと。

大:そうですね、はい。

野:私のなかでも、むしろそれが期待するところだったんですよね。

■私はライブを映像作品で見たんですが、後ほど触れるニューアルバムでは「うわーっ!」って思いましたが、過去の楽曲を演奏されたそのライブはまったく違和感を感じなかったんです。

大:あ、でもそれがいちばんうれしいですよ。楽曲を壊さないでやれたという意味で、そういう評価をいただけることは自分にはとってもうれしいことです。

■こちらも何10年も聴いてきて"CASIOPEAサウンド"というものに慣れちゃっていたので。

大:そりゃそうですよね(笑)。

■そうなんです。それが大高さんのオルガンに代わってどう響くんだろうと思っていたら、「えっ!?」っというのがまったくなく、逆にオルガンにすることでこういうふうになるんだと、むしろ新鮮でした。あと、オルガンというと私はジョン・ロード(ディープ・パープル)やキース・エマーソン(ナイス、EL&P)がオルガンをゆすったりしてる絵と歪(ひず)んだ深い音が浮かぶんですが、さすがに大高さんはそこまでしませんよね。

(一同笑)

大:楽器がかわいそうなのでそこまではしませんけど、気持ちは同じように「歪み」は多いです(笑)。

■なるほど、わかりました。


恒例、野呂さんの楽曲解説

■それではアルバムについて、いつものように野呂さんから1曲ずつご紹介いただいてよろしいでしょうか?

野:(笑)はい。じゃあいきましょう。

1曲目は『DAYS OF FUTURE』。未来の日々というタイトルなんですが、まあ明るい未来にしたいね、という思いを込めて作りました。8年ぶりの幕開けということで少し自分のなかでも大作とまではいかないですが、かなり力を入れた曲です。やはり"オルガン"と"ユニゾン"を意識して、その2点からいろんな発想しました。アレンジそのものも"4人"ということをどうやって際立たせるかという意識が強かったですね。全曲そういう感じなんですが、特にこの1曲目はいちばんそれが如実に出ているのでは、と思います。

■私は野呂さんの引き出しの多さをあらためて痛感させていただいた楽曲でした。オルガンというかつてCASIOPEAにかつてなかった楽器をメインに据えて、どういうふうなサウンドを展開させるのだろうと聴き手は手ぐすね引いて待っているわけです。そこにこの1曲目ですから......。オルガンの料理の仕方といいますか。併せてリズム隊の音が大きく感じるとか。
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野:オルガンって減衰する楽器じゃないので、打楽器類の音がよく(前に)出てくるんですよ。オルガンそのものもボリュームはちゃんと出ているんですけど、そういう打ち消し合いみたいなものが少なくなっていることは確かですよね。

■そうなんですね。ところで、オルガンの音はラインで録っていないんですね。

大:レスリー(スピーカー)ですね。

野:それはね、あえてマイクで録っています。マイクを4本立てて。ラインで録るの音とはまったく違うんです。マイクだと空気の振動をちゃんと拾えるので、いわゆるシンセを疑似ステレオにしているものはモノ(モノラル)にすると奥に引っ込んじゃうんですね。ところがオルガンは空気で拾っているのでそのまま、変わらないんですよ。その違いはかなり大きいですよね。

大:レスリーっていうのは箱を鳴らすという部分もすごく大きいので、ベースアンプやギターアンプと多分似ているんですけど、その箱鳴りも含めてそのサウンドなので、やっぱりレスリーの音を録るときっていうのはマイク録りが多いんですよね。ラインで録ってしまうとその箱鳴り感がなくなるので。なんて表現したらいいか......細くというかさびしい感じになっちゃうんですよね。

野:最初のころはそれを録るのにどこにマイクをセッティングしたらいいかとか、ライブではいろいろ試してみて、それが決まったところでライブアルバムを作ったという流れなんですね。それでだいたいのマイクセッティング方法やノウハウはだいぶ固まったんです。ですからレコーディングではスムーズに録ることができました。

大:本来レスリーを録るのに「マイクはあれがいい」とか私が分かっていなけりゃいけないんですが、それはその音楽の種類だったりエンジニアさんによっても違うのでしょうけど、私はあまり関知しなかった分野なんです。それを全部野呂さんがやってくれたんです。

(一同笑)

大:「このマイクはどうかな」とか「ここに立てたらいいんじゃないかな」とか、全部やってくれまして......。

野:あと、ツアースタッフの1人が外タレさんがやっているのを見て「こんなところにマイク立っていましたよ」とか情報をくれて(笑)。

大:いろいろそういうのを全部やってくれて、CASIOPEAのなかでのオルガンの音というのをすべて管理しているというかなんというか(笑)。

野:管理人です。

(一同笑)

大:作り上げてくれているというか。

■なるほど。音に関しては野呂さんのこだわりは半端ないですから。

野:そうですね、エンジニア気質とでもいいますかね(笑)。

大:そうなんです。すごいんです。もうお任せしといたほうがいいので、ね。「よろしくお願いします!」って感じです。今までの作品も今回の作品もそうですが、ちょっとだけ気になったら言わせていただくという感じでほとんどそれもないくらいいい状態を作っていただいているという。

■なるほど納得です。では、2曲目をお願いします。

野:2曲目はセルフカバーで『太陽風』です。もとのCDを出したときとは違うアレンジ、というかテンポをだいぶゆっくりにしまして、今のCASIOPEAで作りだした音というのを楽しんでもらいたいなと思って作りました。アレンジの部分で大高さんがカウンターメロディーを考えてくれたりして......。

大:何かやりましたっけ?

野:(メロディーをくちずさむ)タータッタタン ターリーラー......♪

大:ああ、そうでしたね。(笑)そうですねー。そっか。

野:そうそう。「おー、これいいねぇ」みたいな感じで。それは彼女が考えてきてくれたので。相乗効果でオルガンってこういう使い方もできるんだっていう発見があったレコーディングでしたね。

3曲目も私の曲で『LIVE IT UP』。これは「今を思いっきり楽しめ」という意味なんですよね。今我々がこうやっていることを自分たちでも楽しみたいし、聴いていただく方にも楽しんでいただきたいなという気持があって。自分が作った作品のなかでもかなりスリリングなリズムの曲かなと思います。キーボードソロも転調に転調を重ねてね(笑)。

大:ああ、私に来ましたかって感じでしたね(笑)。

野:このスリリングな展開......いや、この人ならできると(笑)。

大:いやいやいやいや。もうとうとう来ちゃったって感じでした、楽譜を見たとき。もう転調がすごいので。いやいやいやみたいな。

野:どうかひとつ。

(一同笑)

■次の4曲目は大高さんの作品ですね。

大:これは野呂さんから「CASIOPEAらしい曲を」って、たしか言われました。メールでだったかな。

野:ん、なんて書いたかな。らしいっていうよりもCASIOPEAとしてやりたい感じの曲を、と。

大:というオーダーをいただいていたのでいろいろ考えた結果、いわゆる16分音符でしょって思って。そういう曲私は書いたことがないんです。やっぱり根がジャズ屋なもので8分音符なんですよね。16分音符の曲は書いたことがない......。そこがひとつポイントになり、そうすると神保(彰)さんのドラムの「タチーチーチー」ってのが浮かんできて。軽快なサウンドのモノを作りたいなって思ったんです。で、結果この曲『AUTOBAHN』ができたんです。

野:アウトバーンを突っ走る感じのね。

大:そう、私詳しくはありませんがクルマを運転するのが好きで、クルマのなかではBMWが好きなので、それでアウトバーンをずーっと160キロで走ってるという。物語がない、4分間ずーっと走りっぱなしというものにしたかったんです(笑)。はい。

野:物語ないの?

大:物語ないんです。始まったら常に160キロ、踏みっぱなし。

(一同笑)

■(笑)はい。では次5曲目は野呂さんですね。

野:『ONCE IN THE LIFE』という、人生で1回きりという意味なんですけど、まあ、それは誰でもわかりますよね(笑)。ハプニングみたいなイメージがあったんですよね。それをギターとオルガンが交互に会話してる感じでいけたらなと思ったんですが、これはAメロをオルガンでやってもらって途中からギターが参加してという形でアレンジしたんですけど。キーが定まらない感じの展開なのでその辺のふわっとした感じを楽しんでいただければと思います。「ありゃりゃ?」っていうような......。

(一同笑)

野:人生で1回きりっていうようなそんな感じですかね。

■はい(笑)。次は鳴瀬さんですね。

野:鳴瀬さんのこの曲は......、パズルみたいな。

大:(笑)そうですね。

野:4と3の組み合わせのパズルみたいな。最初ね、どうしたらいいんだろって思ったくらい。

(一同笑)

野:やってるとね、なるほどねとだんだん愛着がわいてくるような曲なんです。

大:4/4拍子の曲なんですけど、メロディーがトリッキーに、変拍子に聴こえるというすごくおもしろい曲ですよね。で、途中でディスコになるという。

(一同笑)

■今回、鳴瀬さんレコーディングは全部8弦(ベース)でやられたそうですね。

野:そうですね。

大:野呂さんは知ってたのかもしれないですけど、全然気づかなかったですね。神保さんも「気がつかなかった」ってこないだ言ってたくらい。鳴瀬さん、自然に全曲弾いていましたよね。

■それって弾いている側にしたらうれしいことなんでしょうかね。

大:気づいてほしいんですかね。どうなんだろう?

(一同笑)

野:タイトルが『VORTEX OF EMOTION』、『情熱旋風』ですか。ね、だから渦巻いている感じの曲です。

■やっぱりベースの方の曲だなって思いました。

野:そうですね。

大:うん。これメロディー弾くの大変でした、ホントに。弦楽器の方が作る曲は鍵盤の人間にはなかなか難しいものがあって、ギターの方が作られる曲は音飛びが大変だったりするんですよね。鳴瀬さんの作られた今回の曲は同音連打が多いんですね。しかも和音で? みたいなのが多くて......おもしろいなと思いました。あそこまでの同音連打、鍵盤の人は避けますよね(笑)。

■そうなんですね。ご苦労さまでした(笑)。次は野呂さんの『SE・TSU・NA』です。

野:これはシックスティーンのバラードなんですけど。うーん、これはもう「刹那」ですよね。そういう「今だけ」ってイメージの曲です。「今だけ」っての多いですね。

(一同笑)

野:アルバムタイトルを『TA・MA・TE・BOX』と決めたときに、そのイメージに合うように考えたもので「蓋(ふた)開けたらどうなります?」みたいなものなので、そういう意味で「今」ってテーマを大切に作っていきたいなと思ったんです。そういうところから生まれてきた曲とタイトルなんですね。ま、これはマイナーの、自分のなかでいちばん美しいと思える転調を取り入れて作りました。

大:私大好きな曲です。全部好きなんですけど、マイナーな感じとかオルガンの感じとか好きで、ホントにいろいろな曲が書けてスゴイなと思いました。

野:曲書いているときはね、今までと絶対に違う仕上がりになるだろうなって思いながら書いていたので、それがその思ってたよりもいい仕上がりになったとは思っています。みなさまのおかげさまで(笑)。


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■次は、神保さんの曲ですね。

野:はい。神保さんはね、3曲候補曲を持ってきてくれたんですよ、自宅で作ったデモなんですけど。それを聴かせてもらっていちばん彼らしくないやつをね、選ばせてもらったんです。彼のソロアルバムではいろんなチャレンジをしている楽曲があって「あ、こういうのもおもしろいな」って思っていたんですけど、それをさらに発展させたものを持ってきてくれて、「これ今のメンバーでやったらスゴイことになるぞ」ってね。ただね、デモで作った打ち込みの音と譜面の音が1音違ったんですよ(笑)。

大:(笑)そうそう。

野:ずーっと繰り返す音が一音違っていたんです(笑)。それでね、「これ、どっちにしますかね?」って。それ録音してから気がついたので、「......じゃあ(録音)しちゃったほうにしましょう」と。その辺はね、フレキシブルに。はい。

(一同笑)

大:でもここまでハードになるとは思っていなかったですよね。

野:そうだね。鳴瀬さんもいるし。すごくロック色の強い仕上がりになったと思います。神保くんもハイハット、オープン! みたいなね。ドラマーの曲だけどドラムソロがないみたいなね。

大:(笑)

■これだけ1曲聴かされたら、CASIOPEAだと思わないかしれません。

野:これもね、各自ソロセクションがあって「もう好きにしてください」って感じだったのでプレイヤーにはすごくやりがいのある曲ですね。

大:デモを聴かせてもらったときに「これ、オルガン何をすればいいのかな」って思ったんです。現場に入ってみないとわかんないなって。で、神保さんに「オルガン、何やったらいいですかね?」って聴いたら「あ、好きにやってください」って。イントロはオルガンが入らないんですけど、3人の音がバーンって鳴ったの聴いて、「えっ! そういう感じ?」と。

(一同笑)

大:で、「あ、そうなんだぁ」ってところからアイデアが出てきて、それで弾かせてもらった感じなんです。

野:UFOサウンドみたいな感じ?

大:そうですね。円盤系で(笑)。おもしろいですね。

野:彼なりに今までずっとやってきたCASIOPEAっていうのがあったので、どういうアプローチが自分のなかでいいのかなっていうのをけっこう迷っていたみたいなんですね。それで3曲持ってきてくれたんですけどね。だからもうなんにも考えないやつという仕上がりになったかもしれませんね。

■なるほど、わかりました。次は「U・TA・KA・TA」ですね。

野:はい。これは「すぐに消えてしまう夢」みたいなそういうニュアンスですけど、それをフレットレスギターで。オルガンとフレットレスギターっていうのはバラードをやるにはスゴく特殊な組み合わせなんですよね。なので、それをソフトなリズムでやるっていうのが自分のなかでも思っていた以上の広がりができたなと思っているんです。

■たしかに。野呂さんのフレットレスにオルガンが絡んだとき、とても新鮮な感じがしました。特にCASIOPEAサウンドっていうのはフレットレスにシンセというのが特徴のひとつでもあったわけで。脱線しますが、オルガンって古い歴史のある楽器ですよね。私の世代だと特にそういうイメージが強いんですが、今回アルバムを通して聴いていて、それがCASIOPEAというバンドにあてはめたときむしろ新しいと感じたんです。

野:うん。オルガンってすごく不思議な楽器でね。その時代時代でエポックが絶対あるんですね。あるときはファンクというジャンルでオルガンをパーカッションのように弾く人が現れたり、あるときはジョン・ロードのようにファズで歪ませて演奏したり、そういう意味ではいちばん新しいオルガンのスタイルが、このCASIOPEA 3rdでできたらすごくおもしろいだろうなって思ったんですよね。

大:そういう意味ではオルガンをやってきたなかで、だいたいこういうかんじでしょ? とアプローチの仕方は分かってるつもりですけど、それ以上の違った使い方を野呂さんは提示してくれたんですよ。そういう意味でもすごく新しいと私も思います。バッキングのパターンなんかも「あんまりこうはやらないけど......」ってのがあったり「ああ、そういうのか」というのがあったんですよ。そういう意味でも新しいオルガンサウンド、新しいバンドサウンドっていうのをホントに作っていただいた気がします。

野:でもね、歴史が長い楽器なんだけどもその時代時代のニーズに沿ったサウンドっていうのがあって、すごくふしぎな楽器だなって思いますね。

■そうなんですね。自分のなかの旧来からあるオルガンサウンドのイメージってのが全部吹っ飛んじゃった感じで驚きました。次は『MISTY LADY』のセルフカバーですね。

野:はい。これもメロディーをオルガンで弾いているところから「お、違うぞ」って聴いていただけるのではないかと。この曲は以前にもリアレンジしてやったことありますが、今回は「このメンバーでやるとこうなるぞ」、ということで収録しました。以前のCASIOPEAと比較対照しやすい曲ですね(笑)。で、あえてこれも4人の音が聴こえる構成、アレンジにしてあるんです。その辺は過去のものとはずいぶん違うと思います。

■最後は『EVERY MOMENT』。

野:最後はもうフィナーレ的な感じなんですけども。初めてメロディーを完全ユニゾンってものを作ったんです。コードもなんにもなくてもメロディーはメロディーですってものができたらいいなと思ったんです。ギター、オルガン、ベースという3オクターブでユニゾンするとけっこう強力なユニゾンになるなってのがありましたね。メロディーそのものの完全なユニゾンってのは初めてですね。

大:終わり方も、もう、「しゃれおつ」なんです(笑)。録音しているときに最後の音を聴いて、「あ、そういう終わり方なんだ」と。

野:おあとがよろしいようで、と。

(一同笑)

大:こういう終わり方ってすっごくステキです。

野:今回けっこうエンディングが「ガシャガシャガシャ」ってのが多いので、ホントの最後は「シャラン」って終わるというね。曲順を決めるときに、いちおう自分のなかでは作った作品の並びみたいなものは考えていたんですが、そこにほかのお三方がどういうものを持ってきてくれるかっていうことで、それがそろった時点でもう一度並びを考えようと思っていたんですけどね。ま、だいたい自分が予想いていたところにみんな持ってきてくれた感じでしたね。すごく曲順がまとまるの早かったですよね。

■アルバムタイトルが「TA・MA・TE・BOX」、玉手箱ですよね。

野:ちょっとおしゃれにしようかと思って。

(一同笑)

野:海外の方が見ても「あ、何かの箱なんだ」ってわかるようなね。

■そう思います。オルガン以外にも鍵盤の音は入っていますよね。

大:シンセサイザーは使っています。

野:『U・TA・KA・TA』でシンセソロ、『ONCE IN THE LIFE』でエレクトリックピアノソロがあって、そっちのほうがむしろスペシャル扱いですよね。

大:はい。オルガンで和音を弾くと音が分厚いというイメージがあるんですけど、意外と包み込まないので包み込むシチュエーションがほしいときはストリングスをユニゾンで弾いたりしていますね。

野:ただあまりにも生々しいサンプリング音みたいなものは使っていないんですよね。ホントに「シンセサイザーです」という音色が多いですね。

■アルバムが完成して、初めてそれを通しで聴いたときはどんな感想を持たれましたか?

大:初めて参加させてもらって演奏してうれしかったのと、出来上がって聴いてみてとにかく全曲、曲がいいなっていうことと飽きないし、それもすごくうれしいし、そこに自分が参加できたこともすっごくうれしいです。本当にいいアルバムだもの。

野:これはありがたいことで(笑)。

(一同笑)

大:ホントにいいアルバムだもの。たくさんの人に聴いてほしいですね。

野:前作のライブもそうだったんですけど、今回も"BLUE SPEC CD 2"という非常に高品質なCDなのでぜひディスクで聴いてほしいですね。コピーしたものというのは"BLUE SPEC CD 2"の効果はないですから、やっぱり本当のディスクで聴いてほしいですね。

■はい。しかもDVDが付くんですね。

野:はい。特典DVD付きです。昨年末に行った「CROSS OVER NIGHT」というイベントでのライブなんですけど、ま、今までやってきたライブの過去の曲でいちばんいい響きが出るようなところを演奏したものなので、こちらも併せて聴いていただきたいと思います。これを聴いて新作を聴くと、いちばん新しさがわかるのではないかと思いますね。


CASIOPEA 3rdインタビュー


■なるほど。よくわかりました。本作で42作目......野呂さんはいったい何作作っているのでしょうか。

野:薄利多売ですよね。

(一同笑)

野:作るのが好きなんで、だからもうなんでも作ることが好きで、絵も好きだし料理も好きだし。だからもうすごく自分に向いている仕事をしているのかなって思いますね。

■神保さんは80歳までやるっておっしゃっていますが、野呂さんも......。

野:(笑)。そうですね。もし演奏ができなくなったとしても制作するっていう作業はなんらかの形でやっているとは思いますね。

■すみません。最後にそんなお話しで。

(一同笑)

野:明るい未来へ(笑)。

■今日はお忙しいなかありがとうございました。

野、大:ありがとうございました。


CASIOPEA 3rd情報

CASIOPEA 3rdインタビュー
CASIOPEA 3rd"TA・MA・TE・BOX"

01.DAYS OF FUTURE
02.太陽風 2013ver.
03.LIVE IT UP
04.AUTOBAHN
05.ONCE IN THE LIFE
06.VORTEX OF EMOTION
07.SE・TSU・NA
08.BRAND NEW SOUL
09.U・TA・KA・TA
10.MISTY LADY 2013ver.
11.EVERY MOMOENT


CASIOPEA 3rd『TA・MA・TE・BOX』ツアー

◆12/17(火)札幌Zepp Sapporo
◆12/20(金)東京 SHIBUYA-AX
◆12/21(土)茨城県・日立 ジョージハウス
◆12/25(水)名古屋クラブダイアモンドホール
◆12/26(木)大阪 BIGCAT
◆12/28(土)福岡イムズホール


インタビュー、文:ヤフオク!
写真提供、協力:ハッツ・アンリミテッド(外部リンク)
協力:カシオペアインターナショナル(外部リンク)

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