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CASIOPEAインタビュー Vol.3

casiopea(左から向谷実さん、野呂一生さん、鳴瀬喜博さん) 12月21日に、「Synchronized DNA」を迎えレコーディングされたニューアルバム「SIGNAL」がリリースされるCASIOPEA。ソロ活動や、ご苦労話をお聞きしたインタビュー第3弾! いよいよ最終回です!

画像下:CASIOPEAの向谷実さん、野呂一生さん、鳴瀬喜博さん



casiopea(左から向谷実さん、野呂一生さん、鳴瀬喜博さん)



casiopeaの野呂一生さん 野呂さんは「Voyage(ボヤージュ)」

■最近はそれぞれソロの活動も増えて、3人一緒の時間が減ってきたのではありませんか?

野呂一生さん(以下「野」):実際コンサートの本数は減っていますね。ただ1個1個は濃くなっている(笑)。密度としては変わらないんだけど、流れが大きくなってきたという感じですよね。空いた時間もあるんですが、その大半はカシオペアというものに時間を費やさなくていけないので、ほんとに空いた時間に、ほかのプロジェクトをやったりするんですが、その時間を作るのが難しいですね。

■バンドからちょっと離れて、ソロのお話をお伺いしようと思います。野呂さんはユニット「Voyage」、これは「ボヤージュ」と発音すればいいんですか?

野:はい。ボヤージでもいいんですけど。

(一同笑)

これはアコースティックプロジェクトで、和泉宏隆くんと仙道さおりちゃん、ピアノとパーカッションという低音楽器のない変わった編成なんです。だから誰かが低音を入れたりしながらやっているんですね。でもリラックスして聴けるサウンドになっておりますので、「Voyage」、見かけられましたら、ぜひ聴いていただきたいなと思います。

鳴瀬喜博さん(以下「鳴」):急に宣伝になっちゃったよ。

(一同爆笑)

野:宣伝になっちゃいました(笑)。



casiopeaの鳴瀬喜博さん 鳴瀬さんはソロアルバム

■そういう鳴瀬さんは10月29日にニューアルバムをリリースされますね。

鳴:ありがとうございます(笑)。「Simple Song Simple Night」です。で、私の場合はもっと面白い編成です。ベースと歌とトロンボーン。

(一同爆笑)

野:変なのが多いね(笑)。

鳴:変だよねー。ベースといってもHigh Cを使って、メロディーとかカッティングもできるしね。エレキとアコースティックと使っているし。トロンボーンの青木タイセイくんはピアニカもベースもできるしね。カバーものをやったりしているんですよね。(ちなみにボーカルは加藤明美さん)

■なるほど。やはりでもちょっと変わった編成ですね。

鳴:変だよね。びっくりするよね。ベース、歌、トロンボーン(笑)。なんかあれだな、コミックバンドみたいだな。

(一同笑)

向谷実さん(以下「向」):お座敷ライブやるんだよね。

鳴:うん、お座敷ライブ、やるよ。(10月30日に行われた模様です)

野:へえー。



casipeaの向谷実さん 向谷さんはトレインシミュレータ

■向谷さんはソロ活動は......。

野:この人はもっぱらトレインシミュレータ。

鳴:あっはっはっは(笑)。

向:どうもすみません(笑)。

野:あれ、ソロアルバムみたいなものだかからね。

(一同爆笑)

向:もう28枚目になるんですよ。

野:ほとんど自分の曲なんでしょ?

向:曲はそうですね。あれの曲作りもあるでしょ。
あとね、ほかのゲームソフトの音楽も頼まれたんですよ。あとは今いったゲームソフト。PSPの2作目を来年出す予定で。後はね、業務用の運転手さん教育用のシミュレータをついにうちが作ることになったんです。

鳴:すごいねー(笑)。

■すごいですね!

向:今作っていますよ。相当リアルですよ。

(一同爆笑)

向:あまりにリアルで、人には話せないところがいっぱいあるんです。

鳴:すごいよな、それ。

■それはもうすでに趣味の域を超えていますよね。

向:そうですねー。
ぼくトレインシミュレータ・シリーズを出したのが95年なんですよ。今年でちょうど10年。カシオペアは次が39枚目くらいで、ぼくが28枚目。だんだん追いついてきてるんですよね。

野:「本職と本業」って言っていますからね(笑)。

■本業がトレインシミュレータで、カシオペアが......?

向:いやいや、もうカシオペア中心に考えていますけど、たまに空いてる時間を使って、っていうのでどうだろうなあと......。

(一同爆笑)

向:性格的にはメンバーのみなさん、同じようにこだわりを持っているんですが、ぼくの場合はたまたま好きだった鉄道という趣味をソフトにしたら、それに賛同してくれる方々がたくさんいらして、これは作り続けたほうがいいなあって思ってね。
そういうユーザーからスタッフになった方もいるし。チームができてくるんですね。今では10人くらいの制作チームを管理してればできるようになったんです。

ただレコード(CD)と違って、準備不足が多くて、発売日をいつも伸ばしちゃっているんですよ。カシオペアのCDリリースは多分、1度も遅れたことないんですが、ゲームソフトのほうは1度も守ったことがないんですよ。

(一同笑)

向:不測の事態ってけっこう多いんですよ。いわゆるバグですよね。プログラミングして、起こしてみたらバグがあった、みたいなね。

野:CDではそういうことはほとんどないんですけど、DVDはありますね。最後のオーサリングまで注意してみていないと「ここに飛べ」っていう信号が出ていなかったりとかね。

向:なるほどね。

野:音楽以外のことで、けっこう気が抜けないなってことがあるんです。それによって音楽自体が左右されるってこともありますからね。



練りに練ったうえでのライブだから

■そういったテクノロジーとの追いかけっこをしながら、でも人間がやってる温度をきちんと感じさせる音楽を作っているということに、頭が下がるんです。
こんな質問をしてほしいと言われたのでお聴きしたいのですが、ライブのクオリティーの高さを聴いちゃうと、スタジオ盤に戻ったときに物足りなさみたいなものを感じるんです。常にライブで新譜を出す、というやり方をしていこうとかな、という考えはありませんか?

野:そのやり方をやったのが「The Party」なんですね。
ただほんとのライブではなかったんです。ほんとのライブでやるとしたら、さらに綿密な計画を練って、やる必要がありますね。

向:うん。でも、それは一理あるかもしれない。というのもDVDが普及したことで、逆転現象が起こっていると思うんです。ジェネオンさん(所属レコード会社)がこれだけぼくらのDVDを出してくれるってことは、DVDのほうが儲かるんですね、きっと。価格も高いですし、同じ枚数売れるなら、DVDのほうが利幅は大きいと思うし......。

野:なんか経営っぽい話。

(一同笑)

向:昔はライブって売れなかったんですよ。
つまり、オーディエンスの反応が入ってそれをレコードやCDで聴かされるのはイヤだってね。でもDVDになって、映像がついて、さらに音声が5.1チャンネルサラウンドになってね、そのほうがコンテンツ的におもしろいといわれると、そうかもしれないないって。
でも演奏する側からみると、スタジオレコーディングという作業を経ているから、これをライブでどうしようかっていう部分ができるんですね。はしょる部分だったり、変更したりね。それはあくまでもスタジオレコーディングでCDを出した、という事実が根源にあるからで。
それを全部取っ払っていきなりライブでということになると、演奏する側からすると相当リスクが高いですよね。

野:それにね、クオリティーもそれほど高くならないと思うんですよね。やっぱり練りに練った後にやるライブだから、ライブの価値もあるわけで。

向:うん。一理あるけど、難しいかなって答えておいてください。

(一同笑)

■「Mint Jams(ミントジャムス)」はオーディエンスの声とかをカットしてありましたよね。

野:うん。でもあれは過去の曲をライブで演奏してとったものだから、今DVDでやっていることと基本的には同じですよね。

■なるほど。ではそのように伝えます。

(一同笑)



いい仲間と、苦労を楽しむことと

■若いミュージシャンとか、これから音楽を始めようと思っている人たちに何かいいアドバイスをいただけますか?

鳴:うん。やはりいい仲間を見つけるということかな。
それはバンド仲間っていうことだけじゃなくね。一人でやっている人ならスタッフの人とか、仕事仲間とか。そういうつながりを大事にしていくってことかな。

野:そうですね。苦労を楽しめ、って感じですかね(笑)。

向:おお、重い言葉だあ(笑)。

鳴:なんか職人さんみたいだね。

野:うん。職人に通じるかもしれないね。

(一同笑)

野:でもね、大変なんですよ。なにやっても。
でもその大変なのを、「大変だ」って言ってやめちゃったらそこまででしょ。だから「ああ、楽しかった」っていう形で捕らえると、「じゃあもっと次大変なことをしてみよう」っていう方向に向かいますからね。

向:それは、ぼくらに向かって言われている言葉かもしれないなあ。

(一同笑)

向:どうなんでしょう。鳴瀬さんが言ったように、いい仲間をみつけることも大事ですよね。飽きないってことかなあ。
飽きるってのは、原因のひとつに努力不足があると思うんですね。知識欲を持って、いい仲間を持っていけばある程度続けられると思いますね。あんまりいい答えじゃないかもしれませんけどね。

■ありがとうございます。練習というのはそれぞれ時間を決めたりしてやっていらっしゃるんですか?

野:カシオペアの場合は譜面を見ないで演奏するので、覚えなきゃいけないんですね。それを練習と呼ぶならば、かなりの練習量はありますね。

■ご自宅ではどうですか?

鳴:うーん。音大で教えたりしてるのが練習といえば練習になるかな。特別練習するかといえば曲を覚えること以外では、特別やることはないかなあ。そういうのは若いころにさんざんやっているからね。

野:曲を覚えるので手一杯なことがあるからね。

鳴:そうだね。手一杯だよね。

向:カシオペアはライブをやるだいぶ前に曲順も決まっているので、ぼくなんかはライブで使うものと同じ楽器を全部家に用意するんですよね。
それで音色作りと、アルバムと同じ音源をハードディスクに取り込んで、曲順どおりに並べちゃうんですね。それで、シミュレーションしてから現場に行くようにしていますね。
現場にいってから直すのってけっこう大変なんですよ。だからありうる音は全部作っておいてシミュレーションしておくということに時間を費やしますね。ハノンの一番から、みたいな練習はやらないですね。

■2時間20曲くらいの量を暗譜してやるわけですから、ハプニングが起こることもありますよね?

野:やっぱり忘れちゃうときがありますね。「この先どうだったっけ?」みたいなね。そういうときは周りのみなさんに助けてもらいます(笑)。

向:何か足りないときはこっちで埋めますよね。「あ、抜けたな」ってときは堤防の決壊を防ぐように埋めますね。

野:そうそう。アイコンタクトならぬ音コンタクトみたいな感じで。

鳴:だからDVDなんかで映像を撮るときはさ、ものすごい緊張と集中力だよね。映像撮るときはポカはしないからね、このバンド。そうじゃないときははするけどね。

(一同笑)

■撮りなおしはきかないですものね。

鳴:きかないきかない。だから25分の(UNIVERSE)やるときにはもうカッチンカッチンだもんね(笑)。
その直前のベースソロではむちゃくちゃ好きに動き回ってさ。でも次あれだなって思ったら固まっちゃって(笑)。動き出すのはややしばらくたってからだもんな。

(一同笑)

向:ぼくなんて映像にあんまり写っていないけど、指差呼称バリバリやっていますよ。プログラムチェンジの番号の確認をやるんですよ。
25分のなかで何回もプログラムチェンジがあるのでね。もしかしたらDVDに写っているかもしれない。指差し確認している姿を見かけたら、それだ、と思ってください(笑)。鉄道の運転士がなんでそうするのかが、やっとわかりましたもの。

(一同笑)

前列左から:CASIOPEAの鳴瀬喜博さん、野呂一生さん、向谷実さん、後列左から:Synchronized DNAの神保彰さん、則竹裕之さん



前列左から:casiopeaの向谷実さん、野呂一生さん、鳴瀬喜博さん、後列左から:synchronized dnaの神保彰さん、則竹裕之さん



ニューアルバムは「SIGNAL」

■12月21日にはニュー・アルバムが出るんですよね。

野:はい。「SIGNAL」といいます。
10月中旬からリハーサル、レコーディングと続きます。ドラムは今回はこの「5Stars」の流れでSynchronized DNA(神保彰さん、則竹裕之さん)が参加します。DNA参加の、初のスタジオ録音になりますね。2006年の1月からはこのメンバーでのツアーが始まります。

■すごく失礼な質問なんですが、若いころは間単にできたのに今は大変だ、という演奏面でのご苦労はありますか?

野:あるある(笑)。

(一同笑)

■ええ! あるんですか?

野:ありますよ。
若いころ力任せにやっていたフレーズなんか演奏するとき、「ああ、あんな無茶するんじゃなかった......」ってことがね。

鳴:カシオペアの最初のころの曲なんか、当時はたちくらいでやってるわけでしょ? オレなんかもう55(歳)だからさ。やれてるオレは偉いなあって、褒めながらやってる(笑)。

(一同笑)

向:なんとかできているような気がします。
もうアクロバティックな演奏に必然性を感じなくなっているしね。そういう意味でいうと、若いころのそういうフレーズを弾くときに、なんとなく違和感を感じたりすることはありますよね。

鳴:逆に楽しいよね。そういう懐かしい曲をやるのってね。

野:そうだね。

向:たとえば「Time Limit」の32分音符のユニゾンは、今でも弾けることは弾けるんですよ。笑いながら弾いていますよ。「この必然性はいったい何だろう?」って(笑)。
「The Way Of CASIOPEA」というライブDVDを野呂さんと見ていたときだったかな、「これすごいバンドだね」なんて言いながらね(笑)。22歳くらいのころの演奏がね。まあ脱皮した、と言えば聞こえはいいかな。

■普通に聴いていると、今も昔も変わらない気がしますけど......。

鳴:どうかな、それは(笑)。

(一同笑)

向:昔の音って、シャビーなんですよ。単一的な感じでね。ダイナミクスとか音の広がりとかも違いますからね。一概に比較はできないかな。

野:昔は頭でっかちで、頭パンパンにしながらやっていたことが、今は普通にできちゃうという違いはありますよね。

向:後で弾きなおしてみて「あれ、これはおかしいぞ」っていう昔の曲もありますよ。

■40作近くアルバムを作ってきて、膨大なリストがありますが、「この曲やって」って言われて困るってことありますか?

向:ぼくはないかな。

野:長いことやってきていると、事務所が変わったり、引っ越したりして譜面が消失してしまったものもけっこうあるんですね。
やるとなったらそれをもう一回書き起こすという作業が発生すんです。たまにその作業をするんですよ。するとね、「何で今こんなことやっているんだろう?」って自問しちゃいますよね(笑)。

向:昔の曲を今やっても音色が全然違ったりして、それなりにおもしろい、進化したカシオペアを聴いていただけると思います。

■わかりました。今日はお忙しいところありがとうございました。

カシオペア一同:ありがとうございます。お疲れさまでした。



「casiopea / signal」ジャケット画像 【ニューアルバム「SIGNAL」】
12月21日、ジェネオンエンタテインメント (株)より発売
¥3,000 (税込)
日本最強のフュージョングループCASIOPEAと、まさに細胞までがシンクロされたSynchronized DNAのダブルドラムが合体!
【収録曲】
01. AWAKEN(Issei Noro)
02. MIST(Minoru Mukaiya)
03. 心奥KOKORO-CK(Yoshihiro Naruse)
04. WILL YOU LOVE ME TOMORROW(Akira Jimbo)
05. ESCALATION(Issei Noro)
06. ASOBIにつれてって(Yoshihiro Naruse)
07. LIFE LONG SERENADE(Issei Noro)
08. PITY(Yoshihiro Naruse)
09. ARDENT(Minoru Mukaiya)
10. PAST AND FUTURE(Issei Noro)
DAWN、STRAIN、SORROW、TESTED、MENTALITY、UNLIMITED

全10曲収録
●PERSONEL:CASIOPEA:野呂一生(G)、向谷実(Key)、鳴瀬喜博(B)、Synchronized DNA:神保彰(Ds、Left-channel)、則竹裕之(Ds、Right-channel)




●撮影・文:Yahoo!オークション ●写真提供・協力:株式会社カシオペアインターナショナル
●協力:株式会社キューアンドカンパニー ●ジェネオンエンタテインメント株式会社
カシオペアオフィシャルサイト(外部リンク)
神保彰さんオフィシャルサイト(外部リンク)、則竹裕之さんオフィシャルサイト(外部リンク)

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