皆さんはヤフオク!にある「質問機能」を利用したことがあるでしょうか?
出品されている商品について、不明な点や確認したいことがある場合、入札前に出品者に対して質問をすることができる機能です。
投稿された質問は、出品者の回答前は投稿者と出品者からしか見えません。出品者が回答すれば他のユーザーからも質問と回答が閲覧できるようになります。
この質問機能を悪用した詐欺行為に対して、ヤフオク!では2020年6月より、機械学習モデルを用いた対策を行っていて、今年の9月末にもアップデートをするなど、随時内容を強化しています。
今回はこの不正な質問対策についてご紹介します。
不正行為の見られるテキストメッセージを機械学習し、対策に活用
出品中の商品詳細画面の「出品者へ質問」ボタンから誰でも質問することができます。(
一部例外があります)
この質問投稿で、「出品価格より高額で買い取るから✕✕に連絡して」等とヤフオク!のシステムを介さない直接取引を持ちかけ、代金を払わずに商品をだまし取ろうとする不正行為が見受けられる場合があります。
英語などの外国語で投稿されることが多く、入金確認前に商品を日本国外に発送することを求められるのが特徴です。
もちろん、このように直接取引を持ちかける行為は、「商品を送ったのに入金がされない」、「入金したのに商品が送られない」といったトラブルを防ぐため、ガイドラインにも禁止行為として記載されています。
これに対し、以前からパトロールでの質問の削除や投稿者のアカウントの利用停止措置などの対策を行ってきました。2020年6月には不正なメッセージパターンを機械学習させ、検知・削除する対策を開始しています。
この対策では、不正な質問投稿であると判断した場合、該当の投稿を削除し、出品者には文言を「お客様の安全な取引をお守りするため、該当の質問はヤフオク!ガイドラインに照らし、削除しました。」と置き換えて表示することで被害を防止しています。
不正な質問投稿がされた場合の出品者側の表示イメージ
当初、このような不正な質問投稿のほとんどは英語であったのに対し、最近は自動翻訳などを使って日本語で投稿されたり、メールアドレスではなくメッセージアプリに誘導したり、手口が多様化してきていることから、継続的に機械学習モデルのアップデートを行ってきました。
今回のアップデートでは、さらに多様なメッセージパターンを学習させ、システムで対応できるメッセージパターンが増加しました。
結果として、「質問に不審な投稿がされる」、「直接取引をもちかけられた」といったお問い合わせが、機械学習モデル導入前の2020年5月と比較して97%減少しています。(2020年5月と2021年10月を比較)
不正な質問の特徴と例
不正な質問には、以下のような特徴があります。
- メールアドレスやメッセージアプリなどのIDが記載され、ヤフオク!のシステム外に誘導している
- 英語などの外国語で投稿される、もしくは自動翻訳を用いているために不自然な日本語
- 出品価格よりも高額で買い取ることを提示してくる
名前や連絡先などの細かい設定は違えど、基本的には以下のような文章で投稿されます。
<メッセージアプリに連絡するように指示されるケース>
My name is ***, I would like to know how many units you have for sale, Ill be offering you $2,100 for this item including the shipping fee via EMS SPEED POST to my cousin in United State. Kindly reply me at my ▲▲, my ▲▲ ID is (*****) I will be waiting to hear back from you soon!
<メールアドレスに連絡するようにとの指示を自動翻訳したケース>
こんにちは、私は銀行振込で支払うことができますか? 私は210.000円払います。 送料を含みます。 私に連絡してください。 私のメールアドレス ********@*****.com
もしも不審な質問が投稿されたら......
上記でご紹介したような対策を行ってはいますが、こちらが日々対策をアップデートするように、残念ながら悪いことを企んでいる側もシステムをかいくぐろうと、あの手この手を試してきます。
万が一、投稿された質問に「何かおかしいな?」というものがあった場合、返信をせず無視をしてください!
もちろん投稿の内容に応じて、連絡をする必要もありません!
また、投稿してきたアカウントをブラックリストに登録することで、これ以上の質問を投稿できなくなります。
他の出品中商品への質問もできません。
ブラックリストについて、詳細はこちらのヘルプページをご確認ください。
ブラックリストの登録と削除方法
今後の対策
引き続き、新たな不正行為の内容に応じて機械学習や自動対応をする仕組みを最適化し、トラブルを未然に防ぐための対策を行っていきます。
また、ユーザーの皆さんにも、どういったトラブルが発生しているか、どのように防ぐのかについて周知・啓発を徹底していく予定です。
システム面での対策と、啓発などによる皆さんの自衛能力をサポートすることにより、安心してご利用いただけるよう、取り組みを強化してまいります。